西成特区シンポジウムでの住民の意見

ニュース維新の西成区ヘイト, 西成特区構想

 2012年8月末に実施された「西成特区シンポジウム」。会場参加者からのアンケート用紙での質問・意見について、西成特区を中心的になって進めている鈴木亘大阪市特別顧問が文書回答を行い、11月8日までにその結果が区役所ウェブサイト上に公表されている。

 アンケートでの意見は多岐にわたるが、自分の街を良くしたいという思いがある一方で、行政側が打ち出した西成特区構想には疑問を持つ意見が大半を占める。西成区のウェブサイトで発表されている内容から一部抜粋。

【西成区はあいりん地区だけではない】

  • 西成400年の歴史の中でたった50年の人のながれのなかで、そこが西成だという発想はいかがなものか。400年のなかで地域ではぐくまれた歴史は?西成のことをほんとうに理解できているのか?西成=あいりんなのか。西成をほんとうにわかっているのか?
  • 有識者が皆あいりん問題を研究しているのはいいが、あいりんが西成のすべてか?こういう内容だから、相変わらずマスコミの西成イメージが変らないのではないか?なぜ区民、一般の住民の意思が反映されないのか?
  • 西成特区とはあいりんだけの問題でしょうか。9割方あいりんの話ばかりでした。残念でした。
  • 「西成特区」と言われるが、内容はほとんど「釜ヶ崎特区」の話ばかり。二つは分けて考えるべきではと思います。「西成特区」と言われるならば、普通に暮らしている庶民の住民税や国保料を大幅に安くして住民の数を増やし、衰退している小売業を元気づける等の具体策がほしい。
  • 西成と聞いただけで=釜ヶ崎となる。(あいりん地区は)治安が無いのではなく、治安を無くする人が集まってくる地域なのである。

【あいりん問題は西成区だけに押し付けず広域的に取り組むべき】

  • 西成特区構想のお話をうかがうと、これは西成だけの問題とは思えない。高齢者、独居、身障者で自立しにくく、生活保護にたよる人が、あつまってきている現状を考えると、それらの方が発生していることが、問題であると思われる。西成で集約されて問題になっているように思うが、これは日本のいろいろな場所で発生していることである。解決には、いわゆる弱者がどう社会にくみ込まれていくかであるが、いまいち、実感がないというか、絵にかいたもちのような感じをうけざるをえないと考える。何かしなければいけないとは思うが、いまいちだ。
  • 特区構想をたてる場合、何が西成の特性(固有)なのかが明確でないといけない。例えば、生保にしても西成発西成着の固有課題とは思えない。戦後高度経済成長を支えた労働力が老い、病み、西成に集められている。国の施策(経済労働)のツケが西成(大阪の)の特性の様に扱われるのはおかしい。但し、現に課題となっていることは現実で、解決は、国家戦略であるべきだ。貧困や結核という名の「原発」は西成が解決する課題か?!!もっと立体的にぶ厚い歴史をふまえた戦略が必要ではないか?問いたい。
  • 移入者、野宿者対策については国の経済対策の無策が西成区に集中している様に思います。西成区だけの問題としてでなく、大きな目で対策を立てなければ改善できないと思います。勤労意欲を持たせる様にしないといけないと思う。流入者と在住者とを別の問題として考えなければいけないと思う。

【生活保護の問題】

  • 医療登録制は、生保世帯への差別につながる。重複受診等は調べればわかるはず。全体を不正受診と印象づけるやり方はやめてほしい。今でも多くの生保世帯は受診を控えている。
  • 生活保護にまとわりつく、貧困ビジネスが多い。住居についてもどんな住環境であっても、住宅扶助限度額いっぱいの家賃設定になっている。おかしい。
  • 生活保護を食い物にする貧困ビジネス(住宅・医療費)に対しても、もっと抜本的な取り組みを大いに期待します。市の税金が湯水の様に、ザルのように無駄に使われているのは我慢できません。また、他都市、他府県から生活保護の方が片道切符でどんどん流入しているのも見過ごせません。
  • 策が充実すればするほどそれを目当てにした流入者が増えるのではないかと思われる。結局、あいりんにいる人たちはほとんど西成区以外からの流入者であり、西成で生まれ育った者にとっては迷惑な存在です。流入を制止する策が必要ではないか。
  • 他府県或は他区より西成区に流入する方が3カ月以内に46%が生活保護受ける相談に来られる。西成に行けば簡単に生活保護を受けられると聞いて西成区に流入して来られる人も多いと聞いています。之等の対策として、規制作りが必要であると思います。

【特区構想自体が偏見や風評被害生んでいる】

  • 特区構想という事でマスコミメディアばかり先ばしって、しかも市長のバクダン発言で何をされるか、不安です。市民の声を取り上げて頂けるのですか。市長は聞き入れてくれますか。経済も明るいきざしもなく西成に全国から保護を受ける方が集まる中、子育ての方に予算がつぎ込まれるのか。将来の為に、カット、カットだけでなく考えてほしい。我が町が大切です。
  • 西成を特別視する考え方がよくわからない。西成で可能になれば他区でも可能と言われるが、他区で出来る事と同じ様に西成にも適用し、問題といわれている件に関しては、それにプラスして考えればいいのではないでしょうか。西成を考えるのではなく、大阪をどうするのかの中で西成があるのではないでしょうか?
  • 西成特区?何か特別な目で見られるような気がする。小さい時から西成に住んでいて大きな声で「西成に住んでいます」と胸を張って答えられなかった。
  • 西成特区、西成特区と言われてみじめな思い、分かりますか。からかいの口調で「特区!特区!」と言われている子ども達もいますよ。

【マスコミ報道による風評被害】

  • 最近のマスコミ報道で大変嫌な思いをしている。生活保護の受給者が4人に1人とか、結核のり患率が日本一とか、それは事実でしょうけれど西成=あいりん、生活保護、ホームレス、汚い…と悪いイメージばかりで住所を言うのもはばかられる。今までもマスコミ、ことに朝日新聞等はことさらに西成を強調するような報道があったが、もう西成から抜け出したい。先日も友人に(阿倍野区在住)西成区と一緒になるのがいや!と言われた。市内はどこの区も50歩100歩だと思うのですが、特区特区と言われると逆差別の様な気がする
  • 西成の悪い所ばかりの報道で住む事が嫌になります。若い人が住みつく地域を目指してほしいです。廻りの人達、他地区に行く方が多いです。

 字面だけ見ると、事情を知らなければ差別的と映るかもしれないような内容もあえて引用していることをお断りしておきたい。住民から挙げられている質問や意見は、全てというわけではないが、納得できるものも多い。ただですら地元に対する風評被害でうんざりしているところに、何がしたいのかよくわからない西成特区構想が降りかかって風評被害が強化され、不満が噴出しているという印象。

 特区を強調してなにか特殊で異常な地域かのように余計な風評被害を与える形ではなく、通常の街づくりという形で、地に足をつけた取り組みこそが必要ではないか。

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