天王寺動物園、市外在住の子どもを有料に?

橋下・維新大阪市長, 天王寺動物園, 文化破壊

橋下徹大阪市長が2013年4月から、天王寺動物園の入園料について、市外在住の小中学生は有料にする方針を決めたと報じられている。入園料収入を増やす目的があるとしている。

天王寺動物園

この人、年末年始には「天王寺動物園が年末年始開いていないないのはおかしい」とするツイッターの意見を取り上げ、「経営努力が足りない。年末年始開けろ」と噛み付いたが、市の条例上は市立施設の休園日を最終的に承認するのは市長だったというマヌケっぷり。

しかも動物園をレジャー施設と同列かのように扱った無知もさらけ出した。動物園は博物館相当施設とされている。学術研究や社会教育の目的がある、れっきとした教育施設である。

博物館法では、公立の博物館は入場料を徴収しないことになっている。しかしこれには例外規定があり、施設の維持運営上必要と認められた場合には入場料を徴収することができるとする規定となっている。公立の動物園は有料のところもあるが、法律の精神から考えれば本来は無料にしていくのが望ましいものである。現状、動物園は大人有料のところでも、小中学生までは無料という運営をしている所も多い様子。

天王寺動物園では現状、大人500円、小中学生以下無料として扱われている。入園料の増収のため、市外在住の子どもからは200円の入園料をとるように変えるというものである。

しかしこの措置が入園料の増収につながるのか、むしろ諸経費で余計に支出が増えるのではないかというおそれがある。

大阪市外の小学校からの遠足の場合、有料だと目的地を変える可能性も出てくる。となると、入園しなければ入場料収入も当然得られない。これならもともと無料だった人が来なくなるだけで差し引きプラスマイナスゼロなのか、そんなことはない。貸し切りバスで来園する場合、その分動物園の駐車場の使用料収入が減る。また動物園にいくための交通手段の一つは市営地下鉄であり、動物園ではなく交通局の収入になるとはいえども、市全体としては運賃収入がその分減る。

また住所で入園料の有料・無料を分けるとなると、入り口で住所をチェックする必要が出てくる。中学生なら生徒手帳があるが、小学生には通常そういったものは発行されていない。そこで問題も生じる。

何らかの証明書を発行するとなると、市が市内在住小学生に証明カードや無料パスのようなものを発行することになるだろう。作成や発行にはその分市税の持ち出しになり、収入どころか余計にカネがかかることになる。

また団体入園の場合、大阪市立小学校の団体入園なら通常は大阪市民なのでともかく、国立・私立の小学校での団体入園だった場合、大阪市内在住の児童と市外在住の児童の両方がいることが考えられ、住所名前入りの入園名簿や証明書を学校に出させるのかという問題が出る。また子ども会・学童保育など任意団体での団体入園の場合も、入園者一人一人の住所証明をどうするのか。

こういう技術的な問題もあり、余計に金や手間がかかることが見込まれる。しかも橋下市長は「大阪市が市民税で周辺市町村の子どもの分まで面倒を見る必要はない」と、喧嘩腰と取れる発言。こういうのは子どもを敵に回し、学術や教育に理解がないことを証明しているだけではないか。

ホッキョクグマ「ゴーゴ」
(画像は天王寺動物園のホッキョクグマ「ゴーゴ」。2011年3月撮影)

 

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