住吉市民病院廃院、跡地に民間病院?

大阪市立住吉市民病院の統廃合問題で、橋下徹大阪市長は「同病院を廃院し、跡地に民間病院を誘致する」と大阪市会で表明したとか。

住吉市民病院:廃止の病院、跡地に民間病院を誘致へ−−橋下・大阪市長 /大阪

毎日新聞 2013年02月23日 地方版

大阪市の橋下徹市長は22日、廃止の方針が決まっている住吉市民病院(住之江区)について、跡地に民間病院を誘致する考えを示した。小児科や産科を診療できる民間病院を招く方針。

住吉市民病院は市南部の小児・周産期医療の拠点だが、老朽化が進行。市は現地建て替えを検討してきたが、橋下市長らの意向で府立急性期・総合医療センター(住吉区)への集約を決めた。市民病院は15年度末にも廃止する方針で、開会中の市議会に提案する。

橋下市長はこの日の市議会民生保健委員会で「地域では、小児・周産期医療が空白化することへの不安が大きい。跡地に民間病院を積極的に誘致することが必要」と述べた。既に関心を示している事業者があるという。

また、市は住吉市民病院の現在の13診療科中、小児・周産期系の4科以外については3月中に入院機能を停止、秋ごろには外来診療も中止する方針。市議からは「患者の混乱が大きい」という指摘が上がった。【茶谷亮】

住吉市民病院の廃院問題では、地元の住之江区や隣接する西成区を中心に、強い反対の声があがっている。

ただでさえ大阪市南部医療圏では、小児救急の地元病院での受け入れ率が低く限界に達している。また府立総合医療センターは現状でも患者受入が飽和状態で、検査を申し込んでも数ヶ月待ち。統廃合で物理的に病院を減らしたら、状況は今以上に悪化するのは目に見えている。

また住之江区では唯一の分娩可能施設である。また1993年に大阪市立母子センターが撤退して以来区内に分娩施設がなくなった西成区でも、同区と住之江区との境界付近にある同病院が地域の小児周産期医療に重要な役割を果たしている。

おまけに府立総合医療センターは駅から遠い上、西成区や住之江区方面からは地図上では2キロほどで近いとはいえども、直接行く公共交通機関がなく遠回りになる。マイカーや自転車を運転できる状態の人ばかりとは限
らない。

これではもしもの時に病院にかかれないし、また近くに病院がなくなると住環境や子育て環境としても住みにくい街になり、地域環境の悪化の一因ともなる。

そんな理由から反対の声が上がっていたが、今回の橋下答弁では、住吉市民病院を廃止すれば地域の小児周産期医療が空白になることや、地域に病院が存在することの必要性・重要性については、実質認めざるを得なくなったと解釈してもよいといえるだろう。

それならば廃止計画を撤回して今までどおり市民病院を運営すべきで、廃止して民間病院を誘致というまどろっこしいことをする必要はない。

民間では周産期医療は撤退の傾向があること、また必ずしも誘致できるという保証はないこと、廃止から新民間病院開院までのに一時的な空白も考えられることを考えると、これまで通り市民病院として運営すればよい。