住吉市民病院、新たな民間病院誘致候補か

大阪市が住吉市民病院を廃止し、跡地に民間病院誘致を検討している問題で、新たな動きがあった様子。

橋下徹大阪市長は6月3日の大阪市会民生保健委員会で、新たな民間病院の誘致候補があがっていることを明らかにした。しかしその一方で、報道によると、地元の住之江区医師会は「誘致検討している病院の態勢では小児科・周産期医療が保障されず、地域の医療レベルが下がる」と難色を示しているという。

住吉市民病院の問題では、前市政時に老朽化に伴う建て替えを兼ねて、小児周産期医療に特化した病院に衣替えする計画があった。しかし橋下市政のもとで、直線距離で2キロ離れた大阪府立急性期総合医療センターに統合して住吉市民病院を廃止するとした。

ただでさえ病院周辺地域では、住吉市民病院の所在地の住之江区や隣接する西成区では出産のできる病院がここ以外にないこと、府立急性期総合医療センターの受け入れ体制もぎりぎりの状態であること、大阪市南部医療圏では小児の救急搬送が他地域に回される率が他地域よりも高いこともあり、病院の統廃合では受け入れ体制が大きく損なわれることは明らかである。

推進側は「統合で高度医療ができるようになる」と言っているが、病棟数が減ること、受け入れ体制が少なくなることについては一切触れていない。

住吉市民病院の廃止問題では、地元の住之江区医師会や町会などからも大きな反対の声があがり、大阪市も「跡地に民間病院の誘致」を言い出した。しかしその民間病院の誘致は2度にわたって頓挫し、3度めの誘致検討となった今回もかなり厳しい状況となっている。

小児周産期医療は高度でリスクも高いものであり、民間任せでは採算が取れないと撤退する危険性も高い。こういうことこそ公の責任でしっかりと取り組んでいくことが必要ではないか。