大阪府のOTK株売却問題、地元からの批判に責任転嫁

泉北高速鉄道などを運営する大阪府の第三セクター・大阪府都市開発(OTK)の株式を、大阪府が外資系ファンド・ローンスターに売却する方針を決めたことについて、ローンスターの入札条件が沿線住民には不利、他に名乗りを上げていた南海電鉄に売却したほうが運賃の大幅値下げなどが実現できることが明らかになると、松井一郎大阪府知事や知事与党の大阪維新の会は、妙な言い訳に終始している。

ローンスター売却案だと泉北高速鉄道と南海電鉄の乗り継ぎ運賃の値下げ幅は10円、一方で南海電鉄が提示した条件だと80円割引の提示となった。沿線の堺市や和泉市からは、売却の撤回や見直しを求める市議会決議が上がった。現地の維新議員ですら、世論の高まりを反映して、慎重な態度を取らざるを得なくなった。両市の市長も再検討を求める見解を表明した。

それに対して知事や維新は「対案を出せ」だの「値下げしたければ堺市や和泉市が補助金を出せ」だの言っている

知事や維新の主張は、全く筋が通らないものである。

ローンスターへの売却内定方針は、実務上は知事と実務当局が進め、あとは府議会の承認が得られるか否かという段階になっている。最大の対案は「議案を否決すること」そのものである。

また「堺市や和泉市が補助金」というのも後付の無茶苦茶な理屈である。元はといえば「運賃を値下げするため」と称して株式売却方針を打ち出したのは大阪府にほかならない。

しかし外資系ハゲタカファンドへの売却ありきで、思うほど運賃が下がらないとなると、元々府の失敗であり府が余計なことをしなければ済んだはずのことという事実経過を棚に上げ、市に補助金を要求するなど、全く筋が通らないし、府や維新の自己正当化のための責任転嫁でしかない。

もとより外資系自体、金儲けありきで荒らすだけ荒らしていくのではないか不安がある。関東地方では、西武鉄道に入り込んだ外資系ファンドによって、路線の名前をあげての廃止案なども上がった。その点、長年地元密着で営業している南海電鉄ならば、地元の交通インフラに対してあまり無茶なことはできないだろうという安心感もある。

維新は大阪府・大阪市でも次々にインフラに手を付けようとしている。大阪市営地下鉄や水道なども狙われている。今回の問題は直接的には泉北高速鉄道沿線の話であるが、公共交通インフラの問題・大阪府全体の問題として考えていかなければならない。泉北の次は、他の地域で同じようなことが起きることになる。