あべのの放置自転車問題、計算上は「駐輪場足りている」といっても…

ニュースあべのハルカス, 駐輪場

産経新聞2013年12月31日付が『駐輪場足りているのに…大量の放置自転車 日本一あべのハルカス周辺』を報じています。

大阪・阿倍野に2014年3月に全面オープン予定のあべのハルカス。駐輪場には十分な収容力があるのに、放置自転車の路上駐輪が絶えないという記事です。

確かに計算の上では、いわゆる阿倍野界隈(=「天王寺駅・大阪阿部野橋駅周辺の繁華街・商業地区のうち、特に阿倍野区側」の意味)の駐輪場は収容力があると算出しているかもしれません。しかし近くをよく使う者としては、阿倍野ではむしろ駐輪場所に困るという印象を受けています。

というのは、駐輪場の実態が利用者のニーズや動線に合っていないという問題があるのです。

天王寺・阿倍野界隈には、天王寺駅・近鉄あべの橋駅周辺や、南へ約500メートルほどの近接する地下鉄阿倍野駅付近も含めて、市営駐輪場や商業施設(近鉄、Hoop、MIO、あべのキューズモールなど)が設置する駐輪場がいくつかあります。しかし駅から200-300メートル歩く必要があるなど少し離れていたり、地下駐輪場だったりします。駅のそばにも駐輪場はありますが、便利なところの駐輪場はいつも満車になっています。

また周辺の地理や交通状況の関係もあります。駅付近こそ繁華街ですが、南や東に1キロから1.5キロ(徒歩15~20分)ほど離れれば住宅街が広がっています。住宅街付近では別の交通機関が使いにくかったり、使えても「どうせ天王寺駅で乗り換えるのだから、天王寺駅まで自転車で直行したほうその分安くなるし、時間もそんなに変わらない」と、通勤や通学の住民が天王寺駅や大阪阿部野橋駅まで自転車で向かう流れもあります。

天王寺駅周辺の駐輪場の定期利用は、市営と一部民間運営の駐輪場あわせても希望者が多く、大阪市内の他の駅と比較してかなり申し込みが難しいそうです。

市営の一時利用駐輪場は1日24時間で150円だといえども、地上の目立つところにあるのはすぐに満車になります。

民間の地下駐輪場はいつ行ってもガラガラだとはいえども、入り口がわかりにくかったり、駅から遠かったりします。あべのキューズモールだと「最初の2時間無料、以降3時間毎に150円加算」と、駅周辺で短時間の買い物をするのにはいいが、通勤通学や駅から電車に乗って用事を済ませる目的で1日利用するには不向きな料金体系となっています。

そういう状況が重なり、計算上は十分収容できるといっても、駐輪場の存在自体が知られていなかったり使いにくいという事情でガラガラの駐輪場もできる、ということになるといえるでしょう。

単純に取り締まり・自転車撤去だけすれば解決という問題だけでもありません。駐輪場の場所の周知徹底や、可能ならば駐輪場そのものの移設など、利用者の視点に立った改善が望まれるでしょう。

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