戦争法案:17日参院委員会「強行採決」、18日の攻防へ

安保法制(戦争法案)をめぐり、9月17日には主に参議院で激しい攻防が繰り広げられた。

前日16日からの安保法制特別委員会理事会での断続的な協議は、17日深夜3時過ぎまで繰り広げられた。

午前8時50分からの理事会再開で合意したものの、鴻池祥肇委員長が理事会の看板を委員会室に持ち込み、委員会室で理事会を強行しようとしたことで紛糾。鴻池委員長への解任動議が出された。

解任動議の対象の当事者は自らに関わる議事に関与できないことから委員長代行を立てて進行することになる。代行は理事会での協議で決めることになっているが、鴻池委員長は理事会での協議を踏まず、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久与党筆頭理事を代行に指名した。

野党理事らが手続きの誤りを指摘して、鴻池氏は「取り消す」と叫んだものの、佐藤氏が委員長席に座って議事を進行しようとしたことで再び紛糾、休憩となった。

午後1時になり、佐藤氏が委員長代行として再開する運びとなった。鴻池氏の解任動議については、提案者の福山哲郎民主党理事をはじめ、賛成討論の野党は「フィリバスター」「牛タン戦術」とみられる長時間演説をおこなった。

技術的に同じことやどうでもいいことを繰り返していたずらに引き延ばすのではなく、理を尽くして長時間の演説を行うような、名演説と言っていいような演説が、野党各会派から続いた。

最後の山本太郎議員の演説の最中、髭の隊長が「まとめて」と横槍を入れ、山本氏はその後もしばらく粘ったものの、午後4時過ぎに討論が終了した。

鴻池委員長の解任動議は賛成少数で否決された。午後4時半頃に鴻池氏が入室し委員長席についた瞬間、自民党議員らが委員長席を取り囲んで騒然となった。

そのままもみ合いとなりいつの間にか散会。与党によると、この間に安保法案を「可決した」と主張している。

しかし議院事務局が公表した速記録では、「議場騒然、聴取不能」とあるだけで、賛成者・反対者の内訳などもなく、それどころか速記が止まっているという始末である。


普通はこんなもの、採決したとはいわない。「採決した」と強弁するのは暴挙であり、暴力的で、採決無効と主張してもいいようなひどい内容である。

安保法制についての賛否の意見以前に、こんなひどい手続きで「採決した」と強弁するのは、民主主義への重大な挑戦であり、国会の自殺行為ではないか。

そして20時10分から参議院本会議が、中川雅治議院運営委員長の職権で設定された。野党側は中川委員長の解任決議を出し、審議された。解任投票は記名投票でおこなわれたが、一部で期待された牛歩はなかった。否決の後、休憩。

21時30分に衆議院で、23時に参議院で、それぞれ延会手続きのための本会議がごく短時間開催されて休憩。少なくとも17日中の強行採決はなくなった。

手続き上、参議院は午前0時10分開会、衆議院午前1時開会と宣言された。必要ならば深夜早朝も含めて1日中どの時間でも開けるようにするという手続きだそう。参議院は深夜の国会で、中谷防衛大臣の問責決議案の審議に入るという。

18日の審議の動向がカギを握ることになる。野党側が内閣不信任案や各大臣・委員会の委員長などへの不信任決議案・問責決議案を幾つか準備しているともいわれていて、それらが優先されることになり、安保法制の審議に入れるのは早くて18日午後以降と見られ、18日を乗り越えれば、いわゆるシルバーウィークといわれる連休の土日祝日を挟むことで会期末廃案の展望が見えてくる。

戦争法案反対の声も激しく上がっている。国会前では夜通し抗議行動がおこなわれたという。早朝5時前後からは抗議行動も休憩したということだが、朝9時頃から再び抗議の人が集まり始めた。

また地方でも、各地で戦争法案反対の集会や宣伝がおこなわれた。

大阪・梅田では9月17日夕方、SEALDs KANSAIやSADLなど青年グループを中心とした各団体の共催で街頭宣伝がおこなわれ、約3200人が足を止めていた。

戦争法案反対宣伝に集まった人々(2015年9月17日・梅田)

梅田の宣伝には約3200人

sealds kansaiなどの梅田宣伝

他にも京都・滋賀・広島など各地で、デモや街頭宣伝がおこなわれた。県・地方単位のものにとどまらず、市町村・地域単位でも無数の街頭宣伝がおこなわれたともされている。