大阪市出直し市長選と各政党の対応への感想メモ(2月4日午後時点)

橋下・維新2014年出直し大阪市長選, JCP

 大阪市の橋下徹市長は2月3日、大阪都構想の法定協議会が思い通りに進まなかったことを不服とし、市長を辞職して出直し選挙に出馬すると正式に表明した。

 会見の中では、大阪都構想の詳細な設計図について自分たちがきちんとしたものを提示できず、構想への疑問点が次々に現れた形になったことを棚に上げ、「野党が設計図を作らせてくれない。設計図を提示するかどうかが争点」と述べた。

 会見では同じことを一方的に繰り返すばかりで、また「選挙で選ばれたら民意。出馬しないのなら自分が当選した場合は民意」と他党を挑発するだけで、ほとんど意味はなかった。

 各党は、仮に橋下が再選されても2015年4月まで議会の構成が変わらない上、市長任期も本来の2015年秋までとなることをあげ、全く無意味で税金の無駄遣いと批判した。

 自民・民主は「挑発に乗らない」として、橋下の裏をかく形であえて候補者擁立見送りという戦術を打ち出し、議会や法定協議会で勝負をかけることを決めた。公明もそれに同調する方針を固めた。

 一般論で言えば、選挙で候補者を擁立できる条件があるのに見送りは望ましくない。しかし今回の場合は事情が事情だけに、一般論を原理主義的に解釈せず、柔軟に対応したほうが結果的に選挙や民主主義の原理原則を発展させることになるのではないか。

 橋下は「敵」を設定して、その敵を一方的に叩く「喧嘩屋」という側面がある。住民要求や各党派の主張を最大限活かすために他会派との調整などが必要な、政治や行政の手法にはなじまない。

 候補者を擁立して勝利し、すぐにでも橋下を引きずり降ろせばいいという考え方もある。心情的には、自分自身も本当は今すぐにでもそうしたいと思っているし、焦る気持ちも理解できる。

 しかし橋下は挑発に乗れば乗るほど勢いづかせるタイプである。「喧嘩屋」に必ずしも正攻法が有効なわけではない。また政治という側面から、一部の人間同士がもめていると思わせるのは得策ではなく、住民要求を実現するためにはどれだけの住民の賛意を得られるかも重要になってくる。

 前述の議会構成が2015年4月まで変わらないことからも、再選されても大勢には影響がなく、対立候補を出そうが出すまいが橋下は再選されれば「自分が再選されたのは民意だ」と騒ぐのは織り込み済みだから、2015年4月の大阪府議選・大阪市議選と2015年秋の通常の大阪市長選挙に狙いを定めてじっくりと力を蓄え、また挑発には乗らずに粛々と議会対応をすることで「橋下は一人で勝手に騒いでいる痛い人」という印象を与えていくことが、現時点では一番得策ではないだろうか。「急がばまわれ」である。

 共産党は橋下辞任意向を固めたというニュースが流れた2月1日夜、「選挙は大義名分がないので反対。選挙が強行される場合は多くの人が共同できるようなあらゆる対応を考える」と柔軟な見解を出し、報道を通じてうかがい知れる市議団幹部や党事務所幹部の発言からは、他会派に同調して候補者擁立を見送る選択肢に傾いているような空気を出していた。

 しかし2月4日午後、共産党大阪府委員会が候補擁立方針を固めたと報じられた。共産党がそう判断した詳細な理由についてはまた報じられていないし、共産党自身がいずれ発表するであろう公式見解を見ないと最終判断できない面がある。

 しかし、もし万が一「選挙だから戦う」という原理論だけで橋下の挑発に乗るようならば、普段は将棋で言うと一手も二手も先を読むような対応をしてきた共産党としては残念だと言わざるをえない。

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