11月の大阪W選挙を前に、橋下が相手陣営攻撃のツイートをまた連発している様子。
とりあえず一点だけ。
地下鉄の民営化、水道事業の民営化、ごみ収集事業の民営化などなど、改革案件に反対しているのが自民党を中心とする大阪市議会。自民党柳本市長候補は、まっとうな市政を取り戻すと言うが、その前に改革案件に賛成して大阪を前に進めるべきだ。議員報酬削減、議員定数削減に反対しているのも自民党だ。
— 橋下徹 (@t_ishin) 2015, 9月 30
論理的にめちゃくちゃである。
橋下・維新が提示した「改革」だけが唯一かつ絶対的な内容という前提自体がおかしい。その誤った前提から、自分たちに従わない者は妨害者だと描いているという二重の誤りを導き出している。
そもそも、「改革」とは、住民生活にとって良い方向で改善することである。
しかし橋下が提示した「改革」はいずれも、乱暴な民営化という短絡的な内容である。
市営交通の民営化については、共産党は市営交通堅持、自民党や公明党は選択肢としてもあるという立場の違いはあるが、少なくとも維新のようなやり方では市にメリットはないし、住民生活に悪影響があるとして反対している。
水道民営化も問題外である。水がなければ人間は生存できない。そのような重要なインフラの水道事業だから、公営での維持というのが大前提であるし、何でもかんでも民営化すれば万能と勘違いしている新自由主義者は別として、民営化などと言い出すのは常識的にはとんでもないことだし、そんなふざけたことを言い出すものはいなかったのである。
ゴミ収集事業民営化でも、似たようなことが言える。民営化するとごみ有料化や収集サービス低下などの問題が出て衛生環境悪化にもつながる。
議員報酬削減も、報酬を特権的にもらいすぎるのは問題ではあるが、議員自身が人並みに生活できなければどうしようもない。本業での収入がある人物だけしか議員になれない、すなわち立候補の前に断念するとなると、世論反映が偏ってしまうことにもなりかねない。
議員定数削減についても、むやみな削減は住民世論を議会に反映しにくくなることにつながる。現状維持で良い。大阪市会の場合は各行政区ごとの選挙区格差・逆転現象などもあり、現行定数のままで是正すべきである。
いずれにしても、橋下・維新の「改革」は、住民生活には全く役立たない、それどころか有害な「改革」である。
「改革」と称すれば盲目的に賛成するというのはいらない。住民の立場に立って、この「改革」は本当に必要なのかを吟味したうえで、反対の必要があるとなれば反対することこそが、健全である。