大阪市長選:候補者擁立すれば格好の餌食になる恐れ

 大阪市で橋下徹市長が出直し市長選に打って出ようとしていることについて、2月5日時点での状況。

 日本共産党大阪府委員会の執行部が2月4日に候補者擁立の選択肢の検討に入ったという報道に対して、維新側は歓迎するような動きを見せた。

 かねてから指摘されていたように、選挙戦を挑発の手段として用い、対立候補を「敵」として一方的に叩くことで自分たちを浮かび上がらせるという、いつもの橋下手法だということを、維新の言動からも裏付ける形となっている。

自民、民主、公明各党が擁立を見送る方針のなか、維新に焦りが出始めている。大阪都構想の推進を訴えようにも対決相手がいなければ空回り。擁立を模索する共産党に望みをつないでいる状況だ。
(中略)
3日に橋下氏が辞職表明をして戦闘モードに入っても、主要政党は「橋下氏の土俵には乗らない」(民主党府議)と全面対決を回避。自民、公明、民主の各党が早々に擁立見送り方針を固め、肩すかしを食らった。ある維新幹部は「泡沫(ほうまつ)候補との一騎打ちは困る。投票率が下がるうえ、そこそこ相手にも票が入り、格好悪いことになる」と、心中穏やかではない。
(朝日新聞2014年2月5日『維新、共産擁立に期待 大阪市長選、独り相撲に危機感』)

橋下徹大阪市長は5日、出直し市長選に共産党が「反維新」統一候補の擁立を模索していることに「大いに歓迎だ。共産党が市長という職を奪って、新しい共産政権をつくるというのなら歓迎だ。論戦しようじゃないか」と挑発した。
(産経新聞2014年2月5日『「論戦しようじゃないか」 橋下氏、統一候補模索の共産を挑発』)

 一方で共産党内でも、大阪市会議員団を中心に擁立見送り論が根強く、共産党としての公式見解はまとまるに至らなかった。共産党は2月6日に記者会見を開いて公式見解を発表するとしていたものの、記者会見は中止し、党内での協議を継続するたとのこと。

 維新の動きを見れば、挑発に乗らずに肩透かしを食らわせたほうがより効果的なのではないか。事実などお構いなしに、問題をすり替えて自分の思い通りになるまで一方的に騒ぎ続ける・またもめることを自分のエネルギーに変えるような「喧嘩屋」には、正面から対応しても消耗戦に持ち込むだけである。

 一方的に攻めこむだけが戦術ではない。周りを固めながら相手を弱らせ、いざというときに攻めこむことが重要ではないか。

 大きな情勢変化の可能性に備えての対応を内部的にとることは、一般論としてはありえるだろう。しかし現状はそんな状況ではない。今の時点で主戦論のようなことを全面に出すのは悪手になって分が悪い。