自演なのか、それとも仲間割れなのか

 大阪市長選、橋下を公募区長として支えてきた中川暢三北区長が出馬を検討していると、2月22日に報じられた。近日中に退職して、出馬の有無を含めた対応を表明するとされている。

 報道では、中川氏は都構想に反対を掲げるとも指摘されている。しかしこれほど不可解なものはない。橋下の目玉政策は大阪都構想で、それを実現するために区長を公募したのだから、反対を掲げられても不可解と言わざるをえない。

 この背景には、以下の可能性が考えられる。

(1)橋下が騒ぐことで人気を盛り返そうと仕掛けた出直し選挙だが、他党派からは肩透かしにあった。敵を作って徹底的に攻撃する手法で人気を保とうとしてきた橋下にとっては、無投票当選や泡沫候補との選挙戦は、敵もいなければ税金の無駄遣いという印象も与えて都合が悪い。そこで、元々橋下・維新にとって近い人間を出すことで「敵」を演出し、ヤラセ・自演として選挙戦に持ち込んで、自作自演で盛り上げる禁じ手に走った。

(2)橋下は年度末に公募区長複数名の更迭を検討していると明言した。具体的な氏名については報道などでは公表されていないが、水面下では当該者への内示などもおこなっているという。一部では中川氏も対象になったと噂されている。仲間割れでの意趣返し、もしくは元々自治体首長狙いだったこともあって転身のチャンスと踏んだ。橋下との「対決」を演出することで、落ち目といわれる橋下・維新の泥舟からも脱出できる。

 維新の議員やいわゆる「信者」は、中川氏の出馬を歓迎している様子。元々橋下に近い立場だった竹山修身堺市長が橋下と袂を分かち「反大阪都構想」の立場を明確にした時は、竹山氏を裏切り者扱いしてまるでこの世の終わりかのように騒ぎ、まるで犯罪者かのように激しく罵ったこととは対照的である。
 一度「敵」と認定すればとことん人格攻撃を繰り返す維新信者が(もっともこういう行為自体がカルト的で反社会的であるという問題があるが)、竹山氏への対応と中川氏への対応が違うなどというのは、不思議なことである。