出直し大阪市長選挙、どう対応すべきか

大阪市長選挙は3月23日投開票。大阪都構想での議論で思い通りに行かなくなった橋下が逆ギレして市長職を放り投げ、訳の分からない八つ当たりで出直し出馬したものである。

橋下は再選された場合、大阪都構想の法廷協議会の府議会選出委員の構成を変えると意味不明のことも息巻いている。しかし市長が府議会に手を突っ込む権限があるのだろうか。

他党派はこの選挙を橋下の挑発とみなし、対立者を「敵」と描いて徹底攻撃する手法を取る橋下を独り相撲にさせて放置することで橋下の自己主張の場をなくし、橋下・維新の支持を失わせる手法に出た。

橋下を一日でも早く引きずり下ろしたいのはやまやまだが、いついかなる時も闇雲に攻めこむだけが戦術ではない。外堀を埋めたり兵糧攻めにする戦術もあり得る。

野党会派の候補者不擁立戦術は、一般論を超えた独自の状況のもとでは、新たな展開となるといえるだろう。もっとも一般論を超えた前例のないことでもあり、対応は手探りにはなる。

当初は無投票になるとみられていたが、別の候補者が出て選挙戦になった。候補者の方はご本人の判断で出馬されたものであり、候補者に対して出馬したことを批判するつもりはない。

投票率を低下させること・白票が増えることのどちらが、橋下・維新にとってダメージになるかを見極めたい。

選挙期間中の3月12日夜、対立候補であるマック赤坂・藤島利久両氏への、橋下陣営からの暴力事件が起きた。一聴衆として橋下の演説会に参加していた両氏に対し、妨害行為などは一切していないにもかかわらず、橋下陣営の会場警備担当者がいきなりつかみかかって会場から引きずり出そうとしたものである。

候補者自身が対立候補の演説会を傍聴するのは、通常はほとんど例がないとはいえども、違法行為ではない。

事件が起きた橋下の演説会では、聴衆からの質問を受け付ける方式をとっていた。一聴衆として質問を申し込み、壇上にいた松井一郎維新の会幹事長が質問を許可した直後に、紺色ジャンパーの初老の男がいきなりマック赤坂氏につかみかかった。紺色ジャンパーの男が「ドアを開けて」と周囲のスタッフに指示したことや、維新のスタッフは「この男は関係者ではない。一般の聴衆ではないか」と言いながらも誰もこの男を静止しなかった不審点など、維新側による組織的な行動がうかがわれることが、映像から確認される。

止めようとした藤島利久氏も、ドアの外側で待機していた別の維新スタッフから腕をねじりあげられるなどしたという。さらに110番通報しようとしたマック氏に対して、維新の「大入道」「海坊主」とあだ名される巨漢スタッフが、マック氏を後ろから羽交い締めにした。

維新は「最初につかみかかった人物は、維新の関係者ではない。一般の聴衆ではないか」と、マスコミの取材に対して答えたという。しかし一般の聴衆が勝手にしたことならそれこそ維新のスタッフがその人物を止めに入るだろうが、誰も止めに入らず、逆にマック氏らを妨害者扱いして羽交い締めにしたり複数で取り囲むような言動をしていることが、映像からもわかる。

マック・藤島両氏に対しては、「挑発目的で来場したのではないか」などと、維新支持者からは批判されている。しかし百歩譲って仮に挑発や騒ぎを狙った来場だとしても、両氏は具体的な妨害・挑発行為をおこなっていたわけではない。維新はスルーするどころか、むしろ逆に維新の側から暴力行為を仕掛けて騒ぎを大きくしている形になっている。このことは言い逃れできない。

マック・藤島両氏は、紺ジャンパーの男・海坊主と、ドアの外で待機していた2名の計4名を、氏名不詳のまま傷害容疑などで刑事告訴したという。一連の暴力騒ぎは、維新の組織的な行動である可能性が高いとも指摘している。

選挙の意義は疑問で、また対立候補の政策もよくわからないものや突拍子もないものが多く、同情票を安易に被害者となる両氏に流すなどの選挙の投票行動に結びつける判断はできない。

しかし選挙での投票行動とは切り分けた上で、橋下・維新が暴力行為に出たことは、厳しく批判すべきものである。維新の会が「意に沿わない人間に対しては、相手が何もしていなくても一方的に暴力をふるうこともいとわない反民主主義的体質を持っている」ということは、広く知らせたい。

市長選挙の意義を認めないから、意義が認められない選挙で起きた暴力事件も容認すると取れるような態度も極端であり、間違っているだろう。