大阪都構想、維新が区役所位置や区議会定数の案をまとめたとか

橋下・維新大阪都構想, 維新の西成区ヘイト

大阪都構想に関連して大阪維新の会が、法定協議会を強行して区割りの一部変更をおこなった。さらに、新区役所の位置の案や区議会議員定数案を決めたというニュースが流れた。

もとより手続自体が問題になるべきものであり、維新が勝手に妄想を言い立てているだけと同じような扱いをされるべきものではあろう。新区役所案も区議会議員定数案も、おおよそまじめに考えたとは思えないようなものという印象を受ける。

特別区区役所

新区役所案は報道によると、新中央区は西成区役所、新北区は大阪市役所、新南区は阿倍野区役所、新東区は城東区役所、新湾岸区はATCをあてるという。

新東区以外は特別区予定地の端の方に区役所があることになる。公共交通機関の場合、一度他の区に出て他区の特別区役所の近くを通り、長い時間をかけて自分の区の区役所に行くというケースも出てくる。例えば西淀川区からATCなど、直接行ける手段はない。

さらに見過ごせないのは、あいりん地区を口実にして西成区への風評被害を広めている形になっていることである。

新中央区では現西成区は南の端になり、しかも特別区役所として予定されている西成区役所は西成区でも地理的にはやや南寄りの地域・岸里にある。

岸里自体は交通の便が悪いわけではないし、西成区役所は地下鉄岸里駅直結という立地ではある。しかし特別区の端に近いところではなく、なるべく中心部に近いところで駅から近いところに置いたほうが、区内どこからでも行きやすくなるのではないか。

あえて西成区役所を選んだ理由がなめている。報道によると維新関係者は「治安の悪い西成のイメージアップ」などと理由をあげたという。しかしこういう発言をすること自体が、西成区へのひどいイメージダウンと言っていい。

西成区は行政区であり、多様な地域が混在しているものの大半は住宅街である。治安も大阪市内の住宅地としては平均レベルであると言ってもいいことは、大阪市の統計でもはっきりしている。

しかしごく一部の地域にすぎないあいりん地区での否定的な現象をことさらに強調して面白おかしく言い立てるための代名詞として「西成」の地名を使い、「朝から酒を飲んで路上で騒ぐような無法地帯、暴力団、生活保護不正受給・泥棒市・暴動・薬物などの犯罪」などマイナスイメージと結びつける間違った使い方が、あいりん地区の支援者やマスコミなどを中心によくみられる。

この間違った用法が、西成区問題(ここではあいりん地区問題のことではなく、西成区の住宅街への風評被害問題の意味)の根幹と言っていい。

あいりん地区で変なことをしている人たちにとっては、自分たちの悪事の批判が向かないように矛先をそらし、全然関係ない地域で普通に生活している住民がおかしなことをしているかのように言い立てれば都合がいいのかもしれない。しかし住民や出身者・勤務先がある人など、西成区に縁がある人にとっては、そんなことはたまったものではない。

あいりん地区だけが西成区ではないし、あいりん地区と西成区を短絡的に結びつけることは誤りである。西成区の住民にとっては「暴動が起きる無法地帯」など自分も家族も近所の人も誰もそんなことを見たことも聞いたこともないようなことを、まるで見てきたかのように決め付けるような心ない者達によって、いわれのない偏見や風評被害を被せられる形になる。

一時はそういうのは収まりつつあったものの、橋下・維新が現れて「西成特区構想」で蒸し返して、マイナスイメージをさらに広めていった形になっている。

橋下自身が「西成区=あいりん地区」という間違った偏見にとらわれている。それを示したのが、西成区選出の尾上康雄市議に対する答弁(2012年1月19日 決算特別委員会)。尾上市議も橋下市長も互いに長々と言っているが、簡潔にまとめれば以下の内容になっていた。

尾上市議「西成区はあいりん地区一色のイメージではないと、私を含めて地元の人は認識している。あいりん地区だけではなく西成区に対する市長の認識は」
橋下市長「質問の意味がわからない」

「西成特区構想」もあいりん地区の否定的現象を「西成」と言い立てるような偏見のもとで作られ、実態はあいりん地区対策(といっても実際には引っかき回すだけで悪化させているだけだが)を「西成」と言い立てて西成区が無法地帯のような否定的な印象だけを広めていることになる。

また西成区役所への特別区役所設置と同じ文脈で「あいりん地区を官庁街に」などとぶちあげた。あいりん地区を官庁街にする構想自体は勝手に言っておけばいいが、今の西成区役所は岸里にあり、あいりん地区と言われる新今宮・萩之茶屋界隈とは距離的にも大きく離れている。
「現西成区役所=岸里への新特別区役所設置」と「あいりん地区を官庁街」を全く同じもののように扱って「西成」うんぬんと言い立てることは、西成区=あいりん地区・治安が悪いなど否定的な印象や偏見を植え付ける効果にしかならないだろう。これこそが、西成区に対する悪質なイメージダウンである。

特別区の議員定数

また、報道によると、特別区の議員定数も案が出たとのこと。今の大阪市議定数を、現行の各行政区ごとの定数に合わせて、そのまま新特別区にスライドさせるとのこと。各特別区12~20人前後になる。

30万~40万都市で議員12人は、あまりにも少なすぎる。同規模の都市なら、40人規模になるのが普通である。区議会になると議員定数が増えるという批判を恐れたのかどうかは知らないが、別の問題が発生した形になっている。

30~40万人規模の都市だと扱う案件が多く、公共施設、営繕、学校教育、保育・子育て、商業、医療、社会福祉、ゴミ収集など各分野の細かいところまで手がまわらないはずである。細かいことは穴だらけの行政運営になる恐れもある。

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