「都構想」理解するほど反対になるという統計的分析です

「豊かな大阪を考える学者の会」報告会が2月24日に大阪市内でおこなわれ、いわゆる「大阪都構想」と住民投票・大阪ダブル選挙の分析について報告された。

京都大学の藤井聡教授によると、住民投票や大阪ダブル選挙の投票行動と「大阪都構想」の内容への理解度・大阪の街への愛着などとの間に相関関係があると、統計的手法で分析している。

「大阪都構想」が大阪市を廃止・解体するだけのものという中身を正しく理解しているほど、2015年5月の住民投票では「反対」、同年11月の大阪ダブル選挙では非維新候補に投票した率が高い傾向にあり、相関関係があると分析されている。

一方で「都構想」について「大阪市はなくならない」「大阪市と同等の権限を持つ特別区になる」などの誤解を持っている層や、橋下が「教育費6倍」にしたと信じていた層ほど、事実を正確に把握していない層が維新側に投票する傾向が高いとされた。

投票行動の判断資料の情報源や地域愛着度との相関関係についても分析している。分析によると、情報収集に新聞よりもテレビを重視する傾向や、大阪への地域愛着が低い傾向があるほど、「都構想」賛成や維新支持に結びつく率が高いという相関関係があるとされた。

――これは、大阪で暮らしている実感とも一致する。

事実を正確に認識している人ほど、大阪市解体には批判的。

理性的で物腰が柔らかな伝統的な大阪人は「都構想」には批判的。

「物事の本質を考えることは軽視。表面的に面白ければいい」「乱暴・下品・威圧的な態度が大阪人らしいと勘違い。コテコテ・自虐で貶めることを地元愛と勘違い。大阪自体に否定的なステレオタイプ的なイメージを振りまく。また大阪の中でも細かい地域での対立を煽り特定地域に事実に反するイメージを振りまいたり地域攻撃する」的なテレビ的な一面的イメージで振る舞うような「大阪人」が維新支持という傾向ともいえる。

言い換えれば、事実を広く知らせること、物事の本質を突き詰めて考えられる人を増やすことなどが、キーとなってくるであろう。

橋下・維新には、事実を正確に知らせるという観点はない。とにかく表面的なことを一方的に言えばいい、気に入らない相手は乱暴に脅せばいいという観点。また大阪の地元のことについても、大阪全体や市内の各地域のことを全く知らずに見当違いのことを言い立てるし、大阪の街を平気で貶める。そんな事例ばっかり。

西成区の例が象徴的。橋下・維新は「西成」の地名を「あいりん地域といわれている場所への流入者やそれを『支援する』と称した流入者が引き起こしている否定的な現象」という非常に限定された意味にすり替えて騒ぐだけで(この用法は元々はあいりんの人たちの用法ですが、橋下維新がそれを強めた形に)、西成区でもあいりん地域から離れた大半の地域に対しても「西成区だから問題地域に違いない」と勝手に決めつけての地域差別的な罵倒や地価下落などの風評被害を強める、現在あいりん地域とされる地域に近接している地域でもいわゆるあいりん関係者ではない元々の地元の人の地域環境改善の願いや長年の取り組みに冷水をぶっかけるなどの、重大な被害を産んだ。

また住民投票の時には、維新の側は、福島区で「都構想が実現しなければ、福島区が此花区と一緒の区になる。それでいいのか」(福島区選出の維新市議)などと此花区を見下すような形で煽る、住民投票の結果が出ると「南側の貧乏区が足を引っ張った」などと事実無根の罵倒をおこなう、などで大阪市内の地域対立を煽った。

維新の言っていること、思い出しただけでもメチャクチャだった。

大阪W選挙でも、維新の候補はどこでも同じような統治機構のことしか言わなかったが、非維新候補は「この街のあそこの道路はいつも渋滞しているでしょう。防災や緊急時の観点からもなんとかしたい」「ここの街には○△という古い歴史があります」など、演説場所のその土地ごとに地域の課題や郷土史的なトピックスを縦横無尽に織り交ぜていたことが印象的だった。

一方で、非維新の側の宣伝が足りていないのも事実。非維新と言っても一枚岩の党派ではなく、保守・革新・無党派など多様な政治信条の人が「わが町大阪市と私たちの暮らし・生活を大事にしたい」という大きな共通点でゆるくつながっている状態ではあるが、多くの人に大阪の問題をそれぞれの立場で伝えていく努力を強めていく事が重要だといえる。