「総合区」案を出したとな

大阪府と大阪市は2016年7月22日の副首都推進本部会議で、いわゆる「大阪都構想」=大阪市の廃止解体と並行して検討する、大阪市の行政区に「総合区」を導入する制度について、5案を決定した。

いずれも行政区の合併を前提に、市本庁からの権限委譲の範囲を示している。

しかし、この議論の前提自体がおかしいのではないか。

まず、「都構想」=大阪市の廃止と跡地を特別区に分割は、2015年5月17日の住民投票で明確に否定されている。住民投票の結果は法的拘束力を持つと定められている。それをわずか1年で蒸し返すこと自体が論外である。

「総合区」議論にしても、以下の問題点があるのではないか。

  1. まずは「都構想」の復活策動とは切り離すべきで、「都構想」との二者択一のように利用されるような形になるのは問題外。
  2. 「導入する必要があるのか」というそもそもの出発点の是非から、ていねいに検討する必要がある。導入が前提になっていることはおかしい。
  3. 市役所本庁(および本庁直轄部署の出先機関)から区役所への権限委譲は、必ずしも「総合区」でないとできないというわけではない。例えば公園管理業務は、大阪市では本庁の建設局と市内を各ブロックごとに分けた公園事務所が担当しているが、仙台市などでは行政区のまま区役所に担当部署を設置している。また大阪市自身が、教育委員会の機能の一部を、区長が区担当の教育委員会理事・教育次長を兼務する形で、区役所におろしている。
  4. 現行の24区の合区を前提にしているのもおかしい。合区自体は、行政機能や地域コミュニティの利便性や要望がある場合は、必要な場合は検討の俎上に上がることもありうるかもしれないが、「総合区」とは全く別の概念である。

「総合区」議論だけとっても論点がいくつもあるのに、論点を分散させたうえで二者択一を迫ることは、結局は住民投票の法的拘束力を公然と無視する違法集団である大阪維新の会を利することになり、議論の俎上に上げること自体が違法の「都構想」を復活させることになる。

「総合区は導入する必要はない」「合区前提なのはおかしい」などの選択肢はないのか。