あいりん問題・いまみや小中一貫校での維新支持者のデマ

奇妙なツイートを見つけた。ツイートをさかのぼると、大阪維新の熱狂的な支援者の様子。

そもそも、この信者の言うような「大した事じゃないから橋下維新を評価するのはおかしいと反橋下は言う」かどうかなんて論点、橋下に批判的な論者からはそんないい加減で荒っぽい理屈での批判は見たことも聞いたこともない。

この前提自体が、自分たちに都合がいいように論じるために、自分たちが非難しやすい前提を相手が言ったかのように勝手に捏造して、その前提を叩くという、悪意に基づく捏造である。

あいりん地域の問題、いまみや小中一貫校の問題のことを言っているのだろうが、橋下・維新はむしろ地元の意向を無視して撹乱させてきたというのが正確なところではないか。

この間の事実経過

いまみや小中一貫校につながる西成区北東部の小学校再編問題は、元々は地域の児童数減少による、近隣小学校統廃合の選択肢も視野に入れた地域全体での学校規模適正化の問題だけで、あいりん問題とは別個の問題だった。この小学校再編問題は、2015年に既存の3小学校統合と小中一貫校化で、いまみや小中一貫校が発足することで区切りを迎えた。

しかし橋下・維新は、地域で小学校規模適正化・統廃合の議論が具体化しつつあるタイミングで現れた。

たまたま学校規模適正化対象校の校区の一部にあいりん地域を含むことで、橋下維新がそこに目をつけて、学校規模適正化の問題に「西成特区構想」をねじ込んだ。

「西成特区構想」自体、「あいりん地域によそから来た、一部の特定の階層の人たち(他県からあいりん地域に送り込まれたホームレス・生活保護受給者や、それを”支援する“と称した貧困ビジネスNPOなど)によって引き起こされた否定的現象」の代名詞として範囲の異なる「西成」の地名を振りかざし、「西成」の地名をなにか変なものの象徴扱いで騒ぐだけで行政上の西成区全域に否定的なイメージを振りまくだけである。また現在あいりん地域と呼ばれている地域にも元からの地元土着住民もいるにもかかわらず地元の住民のことは視野にない。結局、あいりん地域のことをネタにして面白おかしく言いたてて騒ぎたいだけの「あいりんの人たち」や「事情通ぶって変な話を振りまきたいだけの輩」以外には何のメリットもない、それどころか何の関係もない元からの地元住民(あいりん地域と地理的に重なる地域だけでなく、直接関係ない地域を含めた行政上の西成区全域)への偏見だけが増えていくような、一面的でゆがめた見方に基づいたものである。

また橋下・維新は、かねてからの持論の「エリート型小中一貫校設置」もねじ込む形になった。

あいりん問題と学校整備は、本来は別の性質の問題

「学校規模適正化」とは全く別の問題のはずの「あいりん問題」と「小中一貫校」のそれぞれが、橋下・維新によって西成区北東部の小学校規模適正化問題に一方的に持ち込まれた形になった。

このことで議論が撹乱され、地域住民の要望とはかけ離れたものになった。

橋下・維新によって、今宮中学校敷地――統合校の校区では一番北の端にあり校区南側からだと2km近くある・またあいりん地域にあり環境が良いとはいえない――に小学校を併設して、エリート型の小中一貫校にするという突拍子もない構想が持ち込まれた。

地元の人にとっては、「今宮中学校敷地は、小学校統廃合の場合は統合後の新小学校の敷地候補として一切考えていなかった」「小中一貫校への改編は一切考えていなかった」と、突拍子もない事を持ちだされた形になり、驚きと困惑が広がっていたと聞く。

橋下・維新は「学校を作ることであいりん地域の環境改善」と主張した。しかしあえて乱暴な言い方をすると、橋下・維新は、あいりん問題の盾として子どもを矢面に立たせて利用した形になった

あいりん地域の環境改善と、学校の整備とは、全く別の問題である。あいりん地域の問題は、別の問題を結びつけずにそれ自体に対して必要な対応を粛々とすべきなのに、学校の問題と勝手に結びつけて子どもをだしにするなど非教育的極まりない。

保護者や地域住民からは、環境の悪いところに子どもを通わせられないという不安が出たそうだが、それも当然である。ほかにも、学校の立地が校区の端に偏りすぎているうえ遠すぎるから通学に問題がある、エリート校よりも子どもに根ざした教育をしてほしいなどの不安も出た。それらの懸念は当然のものではないか。

「スクールバス」の一面的宣伝

いまみや小中一貫校のスクールバスについても、単に校区の端から端まで遠すぎる、校区の南側だと天下茶屋駅からさらに南側、地下鉄岸里駅近くになるので、そこから電車で2駅の新今宮駅近くまで小学生が毎日歩いて通学するのは困難という背景に基づいて、通学の足を確保したものにすぎない。

大阪市内でも、一部地域では小学校校区が広大で、橋下市政時代よりもはるか前から、学校から見て遠方にあたる小学生や送迎の保護者に対して、通学のための電車やバスの定期券を支給しているケースがある。いまみや小中一貫校のケースもそれと同じであり、いまみや小中一貫校だけわざわざ「橋下がスクールバスを作った」などと宣伝する必要はない。

あいりん問題もまともに見える部分は前市政からの継承にすぎない

橋下・維新が「あいりん問題の改善」と言っているものも、まともに見えるものは、前市政以前からの継続した取り組みである。

例えば不法屋台の撤去は、橋下維新信者が目の敵にする柳本顕市議(当時)の質問などを背景に、橋下信者が目の敵にする平松邦夫市長の市政で、2009年に実現した。

10月28日夜に西成区民センターで行われた大阪維新の会タウンミーティング。時間が空いたので、相手陣営の主張をチェックする目的でツイキャスで見...

ほかにも、党派・会派の別にかかわりなく、西成区選出の歴代市議を中心に粘り強く議会質問がおこなわれたり、実態調査がおこなわれたりするなどの地道な取り組みを経て、少しずつ改善が実現している。

「橋下だけが改善させた」というのはでたらめだし、むしろ橋下一派は「あいりん=西成区」という誤った理解で撹乱させているだけだとしか考えられない。

しかも橋下は、あいりん問題と小学校統廃合問題を結びつけて自慢していたものの、統合前の学校の一つ「萩之茶屋小学校」の校名が読めず、2度にわたって「おぎのちゃや」と演説で発言する致命的な大失態を。

ツイッターで妙な内容のツイートが流れてきた。 柳本さんの門前までわざわざやってきて仕掛けた街頭演説で橋下さんが「萩之茶屋」を「おぎのち...

担当者から会議や口頭説明などもあるだろうし、駅の名前にもなっているような地名だから、大阪市内に土地勘があるかぎりは読み間違いは考えにくいものである。

しかも、あいりん地域と言われる地域とも地理的に重なる地域にある町名・地域名・学校名でもあり、「あいりん地域の問題」に取り組んできたと自称する人間が読めないとは考えられないものである。

学校名もまともに知らないような人間が、「学校を統合して小中一貫校を作った」と自慢しているという、滑稽な状況になっている。