大阪市営地下鉄民営化、自民市議団が賛成に転じるとの報道

読売新聞2016年8月23日付によると、大阪市営地下鉄の民営化について、自民党大阪市議団が条件をつけたうえで賛成に転じる方針を固めたと報じられた。

自民党は民営化自体は選択肢として検討するとしながら、市政与党・維新のような乱暴なやり方では課題が多い・公共交通としての交通網が確保されるか不透明などとして、維新市政の提示するような条件のもとでの民営化には慎重な態度を取ってきた。

筆者の見解は、民営化の必要性自体を全く感じない・市営交通のままで維持すべきと考える点では自民党とは意見が大きく異なるところではある。とはいえども公共交通としての市民の足の確保などについて・民営化によるデメリットを慎重に検討するなどの意味では問題意識を共有できる部分がある。筆者としては、従来の自民党の主張については、中身をそのまま全面的に支持するわけではない・内容的に反対の立場の部分もあるながらも、一つの考え方としては誠実な対応だといえるようなものだとみなしてきた。

しかし維新側をめぐる状況が大きく変わったわけではないのに、自民党が従来の立場を曖昧にして、維新に一方的に合わせるような対応へと、大きく舵を切ることになる。これでは、将来にわたって重大な禍根を残すのではないか。

報道によると、以下のようなことが指摘されている。

基本方針案は、地下鉄事業を市100%出資の新会社に引き継ぐ内容。自民内には、民営化で未着工路線が整備されなくなる懸念などが根強かったが、この日の 幹部会議で、未着工路線整備に向けた基金創設や、市交通局の資産の仕分けなどを吉村市長に求めることを前提に、賛成方針に転じた。

(「大阪地下鉄の民営化方針案、自民市議団が賛成へ」 読売新聞2016年08月23日)

さて、いくら条件をつけても、維新は条件を反故にして自分たちのやりたいような乱暴な施策を押し通そうとするというのは、これまでの維新の数々の態度からも明らかである。

維新が「大阪都構想」と呼ぶ大阪市の廃止解体、2015年5月17日の住民投票ではっきりと退けられた。しかし維新は、住民投票の結果に法的拘束力があるにもかかわらず無視し、再び大阪市の廃止解体を公言している。

住吉市民病院問題でも、自民・公明などが「民間病院の誘致」の附帯決議を条件に市立病院としての廃止を容認した。しかし、民間病院の誘致は暗礁に乗り上げ、やっと誘致した民間病院も産科・小児科の経験はない、市民病院時代よりも体制が縮小されることは確実、しかも近隣の病院でも産科を閉鎖するなど、どうしようもない状態になってしまっている。

地下鉄の問題でも条件をつけたからといっても、無法集団・大阪維新によって再び反故にされ、維新の都合のいいように改悪されて混乱させられるのではないのだろうか。