泉北高速鉄道:堺市が通学定期補助予算案提出

 泉北高速鉄道の運賃の問題で、堺市が通学定期券の負担軽減に乗り出すことがわかりました。

 堺市は2016年8月24日に関連の予算案を市議会に提出し、承認された場合は実現することになります。

 『しんぶん赤旗』の記事より。

泉北高速鉄道 通学定期代の負担軽減 堺市が実施へ

 堺市は24日、泉北高速鉄道と南海電鉄高野線を乗り継ぐ通学定期券に対する補助などを盛り込んだ8月補正予算案を市議会に提出しました。

 泉北高速鉄道は、松井一郎府知事が2013年、泉北高速鉄道を運営する府の第三セクター「大阪府都市開発(OTK)」の株式を米投資ファンド「ローンスター」へ売却する方針を決定。

 これを市民運動と議会論戦の力ではね返し、昨年3月に乗り継ぎ運賃の80円引き下げが実現しました。

 これまでは通学定期代には反映されていませんでしたが、竹山修身市長が通学定期代を1ヵ月1440円、年間で1万7280円の負担軽減方針を発表。補正予算案に盛り込みました。

 ただ、通勤定期代には反映されません。

 日本共産党の城勝行市議団長は「非正規雇用が増える中で、通勤定期代の負担軽減を求める声も多く寄せられています。
引き続き、通勤定期代の負担軽減についても求めていきたい」と話しています。

(しんぶん赤旗 近畿のページ 2016年8月26日)

 泉北高速鉄道は運賃が高く、また相互乗り入れ先の南海電鉄と運賃が合算されることから、距離の割には運賃が高くなり負担が重くなることが指摘されてきました。

 堺市、とりわけ沿線地域では泉北高速の運賃問題は大きな住民要求となり、竹山修身堺市長や堺市議会も負担軽減策を検討していました。

 一方で、かつて泉北高速鉄道の運営に参画していた大阪府は維新府政のもと、泉北高速鉄道の運営母体だった第三セクター「大阪府都市開発(OTK)」株を外資・ローンスターに売却し、売却益を北大阪急行延伸の基金など府北部開発に充てようとすることを狙いました。

 外資への売却では運賃が下がらないことや、沿線住民サービスがないがしろにされる危険性が高いことなどが指摘されました。大阪府議会では野党議員に加えて、維新から造反した議員も加えて、すんでのところで外資売却を阻止しました。

 ローンスターはその後破綻したそうです。維新の計画通り売却していたらどうなっていたのでしょうか。

 その後大阪府は改めて南海電鉄と交渉をおこない、売却額こそローンスターが提示した額を下回るものの、南海電鉄に株を売却し、泉北高速鉄道は2014年7月より南海の子会社「泉北高速鉄道株式会社」として新たなスタートを切りました。

 株売却に際して提示された条件により、2015年3月より泉北・南海の乗り継ぎ割引の80円値下げが実現し、南海電鉄のみを同距離乗ったのとほぼ同じ水準に運賃が下がりました。

 大阪維新の会は2015年大阪府議選に際して、「泉北高速鉄道の値下げを実現しました」と宣伝した候補者がいたようですが、実際は維新の会は邪魔したと言っても差し支えない、住民世論と野党議員の共同で実現したと言うべきものではないでしょうか。

 そして今回の通学定期補助へとつながっていきます。通勤定期券への補助はまだという課題もありますが、当面の課題としては大きな前進だといえます。

泉北3000系

直通先の南海高野線を走行する、泉北高速鉄道の車両・3000系、準急和泉中央ゆき。2015年10月、南海萩ノ茶屋駅