「買い物弱者」は都市の中心部でも生まれるのですね

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読売新聞(ウェブ版)2016年9月4日付『都市も深刻 買い物弱者 小規模店閉店、400メートルが遠く』。

「買い物弱者」の問題についての特集記事。舞台は天王寺駅・あべの橋駅のすぐ南西側、阿倍野区金塚地区。

記事の概要は、おおよそ以下のとおり。

  • 2015年6月に自宅近くの『あべのマルシェ商店街』内のスーパーが閉店となり、毎日のように生鮮食料品の買い物をしていた高齢女性は、自宅から一番近いが約400m離れた大手スーパーで買い物をするようになった。
  • しかし数年前に腰を圧迫骨折したことで歩くことに不自由し、自宅から大手スーパーまでは400mの距離でも、坂道を登り、休みながら片道30分かかる。買い物の回数も、近くに住む親族が付き添うことができる週2回に減り、また帰り道は重い荷物を持って下り坂を下ることになり不安を感じている。
  • また毎日のように『あべのマルシェ商店街』で夕食の惣菜と翌朝のパンの買い物をしていた別の高齢女性は、店舗閉店数ヶ月後に孤立死しているのが見つかった。死亡直前は何も食べていなかった形跡があったという。

この記事を読んで、衝撃を受けた。

金塚地区だと、徒歩圏内にもあべのベルタ内の関西スーパーや、あべのキューズモール内のイトーヨーカドーがある。あべの筋沿いにもコンビニや100円ショップなどがある。また自転車で少し足を伸ばせば、昭和町方面や西成区の花園町・天下茶屋方面のスーパーマーケットも利用できる。買い物には不自由しないというイメージを持っていた。

しかし、それはあくまでも徒歩移動や自転車移動できる人の視点でしかない。お年寄りや体の不自由な人にはそういう健常者視点だけでは当てはまらないということに気づいて、今までの認識が浅かったことを思い知らされた。

記事の後者の孤立死高齢女性は、記事でははっきりと書いていないが、いつも買い物をしていたスーパーがなくなったことで、買い物に行けなくなる・食事を取れないのスパイラルに陥って衰弱したのかとも推測される。

買い物弱者・買い物難民は「山を切り開いて造成されたニュータウン、または農村部などで、地域で核となる店舗が撤退して店舗空白地帯となり、自家用車やバスなどがないと買い物困難」などが主に論じられてきたが、そういう限定的な問題ではない。

都市の中心部でも買い物弱者が生まれうることに、気付かされた。気軽に生鮮食料品や日用品の買い物ができる店があることは、まちづくりの大きな条件の一つ。またお年寄りや体の不自由な人も不自由なく生活できる街は、ハンデの少ない健常者や若い人・現役世代にとっても暮らしやすい街でもある。

一気に解決とはいかないのだろうが、少しずつでもチェックしながら、より良い生活環境にするための知恵を出し合い、必要な改善策がとられることを願う。

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