反「ニセ科学批判」の一部がカルト化している件

ここ数日のツイッター界隈が騒がしい。

ある自治体が運営する自然科学系施設で不正があった、また職員がその施設の本業をほっぽりだして、施設を拠点に、業務とは無関係のニセ科学を広めていたという疑惑が指摘された問題。職員は懲戒免職処分になったものの、毎日早朝から深夜まで仕事をしていた、未払いの残業代を払えと裁判を起こした。

裁判では和解をすすめられ、自治体から元職員に解決金を支払うとする和解案の承認が議会にかけられた。しかしこれまでその問題を追及していた政党の内部でなにかがあったらしく、和解案承認の是非をめぐって議会会派分裂の状況になった。和解に賛成したほうが主流派のようで、その政党からは「反対派議員が突然会派を飛び出した。党規約に定める党員の資格を失ったと判断した」とされて除籍となったそう。

賛成派の議会討論でも「訴訟関係者の主張は荒唐無稽」と認めている。一方で反対派議員の討論は「盗人に追い銭の形になる」「和解では解明の道が閉ざされる」と主張した。

一方で反対派とされた議員は、「政党が突然方針を転じ、政党も組織的に承認した当初の公約を踏みにじり、公約と齟齬が出る主張を強要される形になった。党内の意思決定過程に基づいて疑問点や懸念を主張したが、政党幹部から一方的に中傷されて組織的排除され、無視された。関係者と同調する者が同じ党の党員で、不正も見つかった。それこそ、その政党の規約に反するのではないか」としてそれまでの経過を主張している。

その政党からは、その議員が会派離脱にいたる過程については全くアナウンスがなく、「会派離脱したから規律違反で除籍した」という発表だけ。

排除された議員が「ニセ科学批判」をおこなっていたことで、もともとその政党には好意的な立場も示していたニセ科学批判クラスタが、その政党が当初の公約を投げ捨てる(と彼らにとって受け取った)ような形で賛成に転じたことで、政党からの当該議員への対応を、政党組織自らが党規律を破っての不当な排除ではないかとみなして疑問を唱えた。

しかしそれに対して、その政党の党員・支持者を自称する狂信的な一部の跳ね上がりが、ツイッター上で汚い言葉で、本来「敵」とはなりえないような相手を敵対者呼ばわりして罵るという状況が続いている。

その議員が会派離脱した・ないしは排除されたことについては、明らかになっている状況をみる限り、穏便な解決の方法もあったのではないかと推察される。もっとも、基本的には当事者や上部機関・党員が組織の内部自治の問題として自主的・自発的に対応する内容であり、片方の主張だけでは断定できない。どっちが正しいとも間違っているともいうつもりはない。

不快に感じるのは、ツイッター上で湧き上がっている、「その政党の党員・支持者」を名乗るごく一部の跳ね上がり狂信者の態度。

その政党は「科学の党」と標榜しているからこそ、期待され、非科学的と思われる行為には期待の裏返しで苦言が出ることもある。しかしごく一部の跳ね上がり狂信者は、「自分たちにとって少しでも気に入らない指摘は、悪意を持った妨害勢力からの攻撃」「自分の気に入らないやつは、自分が信仰する政党の妨害者」「自分が信用したくないものは信用しない」と言っているに等しいような、当該議員本人やその支持者を「裏切り者」扱いで罵るような、極めて非科学的な暴言も吐いている。

もちろんリアルで見聞きする、その政党の大多数の党員・支持者は人格者の方が多いが、残念ながらたまにこの手のがいるのは否定できない。

例えばこの狂信者、当該議員にさんざん罵詈雑言を吐いた挙句、相手の議員がていねいに対応して言い返せなくなるとこの捨て台詞。


結局、この政党が除籍の判断を下したからこいつは敵に違いない、何を言っても信用しない、単に一方的に因縁をふっかけて暴言を吐いて黙らせたいというだけ。

これもひどい。「私はそこの党員だ。自分の考えが党の考えだ。自分に逆らう物言いはその党の妨害者だから許さない」と、その党の規約にすら反するようなあさっての方向での攻撃をするから反発が起きるんだけど、その不適切態度をたしなめられると事実を正反対にすり替えてこのような物言い。「モンスタークレーマーと変わらない」のは一体どっちなのか。

こっちの狂信者もひどい。事実関係がわからないのならせめて黙っているというのが、最低限のモラルであり科学的な態度である。しかし「相手の言い分の真偽はわからないが、とにかく(自分が信仰する)党の言い分を信じる。だから党と異なる見解を出した(とこの人物が判断した)相手のことが感情的に気に食わない。許さん」と典型的な思考停止状態。

この手の論理展開は、いじめの論理にも通じる。学校でのいじめ事件、学校やスポーツクラブなどでの体罰事件、企業や行政などでの不正行為など、社会的に問題視されるような不祥事が明るみに出た際、問題となった不祥事の内容そのものには向き合わずに、何の根拠もなく「嘘だ」「被害者とされている者や内部告発をした者などは、その組織から脱落した裏切り者のくせに、逆恨みして腹いせで自分たちを攻撃している」という論理で騒ぐ連中がいるが、それと全く同じとしか思えない。

しかもその口でこんなことも言っている。「「証拠を積み重ねて論理的に主張する」という科学的姿勢には程遠い」とは、すぐ上で引用したものも含め、この人物の数々のツイート内容にほかならない。この人物こそ、政党の名前と看板を「借りて人を見下し、叩きたいだけだ」というべきで、哀れである。

この手の狂信的ツイートは、他にも10個程度のアカウントから発信されていることが確認された。

自分の個人的な感情がその政党を代表する・気にいらない人間は脅して黙らせてやれというようなこれらの妄言を吐く「信者」、これはその政党の組織を守っているふりをして、実際は「中から」内部撹乱を図っている、もっとはっきりというと、それこそその政党に敵意を持っているアンチが、敵意の対象の組織分断のために「中の人」のふりをしながら撃っているのかとすら疑う。

その政党にとっても、またそこを本当に支持し期待している人たちにとっても、こういう狂信者の存在は、明らかに敵対的な立場の人と同じような働きをすることになる。また支持者だけでなく中立的な人をも「敵」に回しかねない。迷惑な話ではないか。