問題意識の出発点は共通だが、なぜそれなら正反対の維新に?

同じようなテーマのエントリが続くが・・・

西成区選出の維新市議のツイートより。

このツイートの中身については、全く同意です。

この地域で生まれ育った住民や、就職や結婚などで縁あって移り住んできた住民、またこの地で仕事をしている人たちや企業・事業所が、他の地域と同様に何ら特別視されるようないわれはない形で生活・活動している「普通の町」である西成区に対して、あいりん地域での変な現象のイメージを一方的に押し付けられるいわれはないという問題意識の出発点は、維新大嫌いとはいえども当ブログ主の立場や問題意識とも全く共通するものです。西成区で生まれ育った・長く住んでいるなど、西成区に関して土地勘やつながりがあれば、政治的主張とは関係なしにこのような立場は共有できるのでしょう。

しかしそれなら、なぜこの人は維新にいるのかという疑問。

維新、特に橋下徹と井戸正利は、「西成区」の地名を「あいりん地域でのセンセーショナルな現象を面白おかしく騒ぐ代名詞」として使い、西成区へのヘイトを食らわせてきたものです。

西成区の地名を「あいりん地域や飛田新地でのセンセーショナルな現象の代名詞」として扱い、西成区はあいりんと飛田の「自分たちのイメージ通りの人」しかいないと勝手に決めつけて、「西成区出身・在住の人はガラが悪くなければ、暴力や貧困の街でなければ都合が悪い、特殊な街であることに誇りを持っているに決まっている」とばかりに騒ぐあいりん関係者・マスコミや、それに乗ったアングラアニア・アウトローマニアがいます。

実際、この市議のツイートにも、「西成区は普通の町ではない」と嘘を主張したいような中傷リプがついています。根拠としてあげているのが「あいりん地域でのおかしな現象」だったり、この市議が在特会関係者のレイシストとともに立ち上げている「教育再生百人の会」。「百人の会」など当ブログ主も支持するものではないが、西成区が「普通の町」という事実とは何の関係もない。

アカウント名からして、また当該アカウントの内容を見ても「あいりんのおかしな現象を西成呼ばわりする・あいりんのおかしな現象が西成区の全て」と面白おかしく言い立てたいだけの者のようです。

そのことによって、本物の西成区の出身者や在住者など縁のある人がどれだけ嫌な思いをし、傷ついてきたか。

西成区選出の議員は所属政党・会派を問わず、「あいりんに流入した人たちが引き起こしている現象(西成区外の人・詳しくない人がイメージするような狭義のあいりん問題)」にとどまらず、「あいりんの存在によって地元住民が地域環境への悪影響を受けている問題」という視点から考え、また「あいりんとは直接関係ない地域でも、あいりん=西成と結び付けられて風評被害を受ける現状を改善してほしいという切実な要望」も重大な課題として扱い、「西成=あいりん」と騒ぎながらではなく、それぞれの課題について地元住民の要求・要望に沿ったまちづくりとして取り組んできました。これは大阪市会の議事録を検索してみると、自民党・共産党・公明党・民主党系議員とも、大枠では共通しています。

大阪市議選では、「あいりんの人たちから見た一面的なあいりん問題のプロパガンダ一辺倒で、西成区の住民の要望に沿った内容を語らない」という候補者もいましたが、その候補者は大差で落選しています。

またあいりん問題についても、あいりんの否定的な現象を「西成区」の地名に押し付けることで、問題の本質を曖昧にし、見当はずれの「対策」が取られることになりました。

とりわけこの市議の地元の千本地域は、西成区に土地勘にある人にとっての西成区イメージの典型的な街=交通の便もよく、治安の良い落ち着いた住宅街ですが、それは「あいりん地域と言われている地域や飛田新地について、もともとその地域で静かに暮らす地元の人すら無視し、流入者による否定的行為だけをアングラ・アウトロー的なイメージを面白おかしく言い立てる」代名詞として「西成」と呼び、ネガティブイメージが西成区の全てでなければ都合が悪いと決めつけている人とは対極的で、そういう人たちにとっては一番都合の悪い地域ということにもなります。

先日、西成区の千本地域で維新の会の宣伝に遭遇。しばらく聴いてみたが、相変わらずおかしなことを言っている。 まず「大阪都構想で水道料金が...

千本をはじめ西成区にとっては、あいりん・飛田のセンセーショナルな現象だけを「西成」呼ばわりされ、そういったイメージを勝手に押し付けられるのは、一番嫌がる行為です。

しかし維新は、「あいりんの現象を面白おかしく騒ぐ=西成」という勝手なイメージに基づいた「西成特区構想」を打ち立てたり、「大阪都構想」といわれる特別区設置・大阪市解体の住民投票では、西成区が問題地域扱いのような悪宣伝を繰り返してきました。

これは、これまであいりんの一部の人達や、それに乗った一部マスコミ、そして「西成=あいりん・飛田」と知ったかぶりしてアングラマニア・アウトローマニアとして振る舞いたいだけの一部の人達がおこなってきた手口と全く同じです。

そのせいで、西成区への風評被害は強まりました。

例えば、松井一郎大阪府知事。あいりんの薬物問題に関連して、あいりんの薬物問題に関連して「『西成は犯罪の巣窟じゃない』と伝える」(2013/12/11)。西成(区)の地名を「あいりんのセンセーショナルな現象」と同一視して「西成=犯罪の町」と結びつけるような悪意を持っている前提だから、その裏返しで出てきたのでしょう。薬物問題という個別の課題に対して、「西成」の地名を持ち出しても、課題は曖昧になるだけです。元々の西成区の住民に非があるものではなく、よそからきた流入者が起こしているものです。

マスコミ報道もひどい。たとえばこれとか。

先日のエントリ「西成特区シンポジウムでの住民の意見」の続き的なもの。西成特区構想に関して、西成区の住民からは「マスコミ報道では、悪い報道の時...

あいりん地域特有の否定的な現象について「あいりん地域」ではなく無闇矢鱈に「西成区」と強調し、西成区の地名に変なイメージを付け、課題を曖昧にさせる。逆に、貧困やネグレクト・生活保護の問題など、日本全国どこでも起こりうる課題で必要な場合は各地で迅速に取り組むべき課題についても、たまたま発生場所が行政上の西成区だったというだけで、「西成区」を異様に強調して「西成区だから困難な地域でないと都合が悪い」かのような偏見で地域特有の課題にねじ曲げようとする。こういう報道が横行してきました。

橋下維新の「西成特区構想」も、基本的にはこれらの発想の延長線上にあります。

と、以前にも当ブログで、似たような内容のエントリを書いていました。

維新の会、辻淳子大阪市議(西成区選出)のツイッターから。 西成区から選出された議員として、絶対に許せない発言です! 西成区も広くて、大阪フ...
先日、大阪市西成区の岸里付近を通りかかると、大阪維新の会の街頭演説に遭遇しました。 大阪都構想について「西成区は区割り案では、中央区・...

この市議とは問題意識の出発点では共通する部分はあります。当ブログ主は、だからこそ、西成区のことを知らない・知ろうもしない、土地勘のある立場からは実際には見たことも聞いたこともないようなマスコミ報道のゆがめられたイメージだけで、西成区を理不尽に地域ヘイトする橋下徹と維新の会は絶対に許さないと認識しました。

この市議をはじめとした西成区の維新が、そんな橋下維新にブチ切れるのならばわかります。しかし、逆に橋下と一緒になって、西成区のことを知らないのにあいりん飛田と面白おかしく言いたいだけの態度で、地元ヘイト・地元disの最先端になっていること、どうしても理解に苦しみます。