「二重行政解消」で新たな二度手間:消防学校の府市統合

橋下・維新は「大阪府と大阪市に似たような施設があるのは二重行政」と難癖をつけ、府と市の病院・大学・公立高校・図書館・公衆衛生・水道などの各施設を統廃合しようとする構想を立てています。

消防については、各基礎自治体や近隣自治体の一部事務組合によって設置されている自治体消防を「大阪消防庁」にしようという動きもあるようです。広域災害に対応などともっともらしく言っていますが、実は現行制度でも大規模災害の時は大阪府外も含めた近隣自治体への相互援助の制度があり、災害時には相互乗り入れで活動しています。

消防では消防庁の統合構想に先立ち、大阪府(府下の自治体消防の共同)と大阪市消防局がそれぞれ設置していた消防学校が統合され、統一カリキュラムで初任者研修をおこなうようになったとのこと。

しかしそのことによって、新たな不具合・手間ができたという報告が。

大阪のこれからを考える」様のブログエントリ「府と市で実は火の消し方は違う」(2017年1月28日)。

火の消し方って、物理的・化学的な意味では違いはないのではとも思うかもしれません。

しかし都市・街の構造により、大阪市では被害を最小限に食い止め早期鎮火を図るための独特のノウハウと装備が生み出されているということ。

ブログによると、大阪市では高層建築物や地下街があることや都市集積の特徴から、一刻も早く鎮火させるためにはできるだけ火元に近づいて消火する技術を持っているとのこと。一方で大阪府下では、建物の外から水をかけて消火するのがメインになるとのこと。

大阪市・大阪府とも、消火の特徴に対応して必要な設備を配備している、したがって消防隊の装備も異なるということになるそうです。

街の構造の特徴によって、一刻も早く鎮火させる方法は違い、それぞれに最適な方法が編み出され進化していったというものでしょう。

このことは、ブログで初めて知りました。

ところが消防学校では、府と市で消防学校でのカリキュラムも統一し府にあわせました。そのため大阪市消防局にとっては新規採用者に対して、府の消防学校課程を修了後改めて市としての初任者研修もおこなうことになり、新たな二度手間が生まれたとのこと。

安易な府市統合によって、新たなムダが生まれるということにもなりました。

同種の施設が大阪府と大阪市にそれぞれあるから二重行政だ無駄だと単純にはいえず、理由があるから分かれている、無理に統合すると新たな不具合が生まれるという事例になっています。