堺市長選挙でも維新関係者からと思われる謀略ビラ

2017年9月の堺市長選挙では、大阪維新の会の関係者からと思われる発信先で、謀略ビラが配布されているらしい。

ひとつは、発行団体は事務局は堺東駅前のマンションの体裁をとり、「竹山市政は野合」とする出所不明のビラが新聞折り込みされたという。

もう一つは、「おおさか維新応援団」と称して「大阪都構想で堺をなくします」などと緑色の紙に印刷されたビラ。維新の関係者は「対立陣営の謀略」と決めつけてツイッターで拡散し、松井知事や維新の議員も喜んでRTしていた。

しかしこれまでの経緯を考えると、これらも維新の自作自演での謀略の可能性も捨てきれないのではないか。

緑色の謀略ビラを最初に「対立陣営のしわざ」として拡散し、松井知事もリツイートしたツイッターの書き込みは、すぐに削除された。

謀略ビラの内容は、維新の主張そのものである。対立陣営側が相手へのネガキャンを貼る理由などないし、そもそも竹山市長を支持する勢力はそういう勢力ではない。

その一方で維新は、選挙のたびに、また日常的な政治活動でも、謀略的な手法を多用している。

維新の公式の宣伝物や街頭演説なども、謀略的な手法が多用されている。さらには、以下のような謀略事件も発生している。

マック赤坂氏への暴行事件(2014年3月12日)

維新の演説会に参加したマック氏が、会場からの質問タイムの際に、演説者の松井一郎大阪府知事・維新幹事長(当時)の許可を取って発言していた際、別に妨害行為をしたわけではないタイミングで突然、謎の青ジャンパー・白髪の男につかみかかられ、青ジャンパーに加勢した維新スタッフからも暴行を受け、会場から引きずり出された。

維新は「マック氏をつまみ出した青ジャンパーの人物は維新スタッフではなく、居合わせてマック氏に不満を持った聴衆ではないか」とごまかそうとした。

しかし、実際は、マック氏に暴行を振るった謎の青ジャンパーの人物は、維新スタッフと目配せをしながら、マック氏につかみかかりつまみ出すタイミングを図っていたことが、演説会会場で撮影されネットにもアップされていた映像から読み取れる。また青ジャンパーが、維新の会場整理スタッフに対して「ドアを開けて」と指示し、スタッフが指示通りにしている様子も確認できる。

聴衆の暴走によるハプニングならスタッフが慌てて青ジャンパーを止めに入るはずだが、維新スタッフは青ジャンパーの人物は放置、松井一郎氏は慌てた様子もなく、半笑いでヘラヘラと、青ジャンパーではなくマック氏の方に「ちょっとマックさん、邪魔したらダメ」などと妨害者扱いでマイクで話していた。

この経過からは、青ジャンパーは実際は維新スタッフで、松井知事や青ジャンパーを含めた維新スタッフはあらかじめ「マック氏を排除する」と打ち合わせ、会場からの質問を受け付けるときにマック氏にわざと質問を許し、その質問内容に「妨害行為」と難癖をつけて排除するという段取りだった。――というシナリオができていたとしか思えない。

2014年3月12日夜、大阪市北区中崎町で起きた、大阪維新の会スタッフとみられる人物による対立候補2名への暴力事件。 別角度から撮影さ...

宮脇希の「不審電話」でっちあげ事件(2015年4月29日)

大阪市廃止・解体の住民投票の運動がおこなわれていた2015年4月29日、4月上旬の選挙で初当選しこの日から市議としての任期が始まった維新大阪市議・宮脇希が、「自動音声でのマスコミの世論調査を装って、反対に誘導する不審電話がかかってきた」と騒ぎ、マスコミ報道もされた。

しかし宮脇が主張する「不審電話」は、「支援者から聞いた」とする伝聞の1件だけで、録音音声などもない。宮脇は、「状況を詳細に聞かせてほしい」と要望したツイッターアカウント少なくとも2つに対して、ブロックで応じた。

宮脇が主張する不審電話なるものについては、大阪市選管も「そういう電話がかかってきたという噂を聞いたという伝聞での問い合わせが何件かあったが、録音音声など直接的な内容は確認できなかった」とした。

一方でその直後、維新は事前録音した橋下徹の演説を使い、コンピュータプログラムでの総当たりと思われる方式で、不特定多数に対して自動電話をかけていた。大阪市外の市外局番06地域や反対派事務所などへも無差別に電話がかかり、また電話を録音した音声が多数ネット上にアップされるなどもした。

このことと対比すると、宮脇が自分たちに有利にするために、でっち上げ・謀略で騒いだ可能性が高いということになる。

西成区「地域ヘイト」怪文書事件(2015年5月14日頃)

大阪都構想の住民投票では、維新は行政区のひとつに過ぎない西成区を「あいりんの一部の人たちによる否定的な現象が西成区のすべて」かのように扱い、あいりん地域と地理的に重なる萩之茶屋地域周辺での地元住民の環境改善の取り組みだけではなく、岸里や玉出などあいりんとは直接関係ない地域を含めた西成区全域を馬鹿にしてスケープゴートにする行為を繰り返した。

そして「大阪維新の会」を名乗って、西成区内で怪文書を配布した。怪文書での主張の内容はそれまでの維新の主張と全く一致していたが、余りの不評さに知らん顔。

大阪維新の会が西成区で「西成の地名をなくす」と書いたビラを発行し、ネットでは「地域差別」などと批判が巻き起こっている。 情報を総合する...

佐々木りえの「暴力事件」でっちあげ事件(2015年11月11日)

2015年11月の大阪市長選挙。維新大阪市議・佐々木りえが、後援会関係者ではない不特定多数の家に対し、「吉村洋文が市長候補に内定」などと選挙違反文書を配布した疑惑が報じられた。

日刊ゲンダイ2015年11月12号(11月11日発行)で、大阪維新の会・佐々木りえ大阪市議(住之江区選出)が、大阪市長選の事前運動とも取れる...

しかしこのことが新聞報道された日に佐々木はブログを更新し、「宣伝中に対立陣営から暴力を受けた」とでっちあげて騒ぎ、維新の議員や信者がツイッターなどで拡散した。

しかし佐々木のブログには不審な点がある。暴力事件そのものの事実関係が曖昧で、ブログに記載されている対応も不自然。また何らかのトラブルがあったことは事実だと仮定しても、たまたま居合わせた通行人同士のトラブルで、相手が「対立陣営関係者」とする根拠は一切示されていないものだった。

日刊ゲンダイ2015年11月12日号(11日夕方発行)で、大阪市長選の告示前にもかかわらず事前運動と受け取れる文書を、後援会関係者でもない人...

不審点を指摘されると、佐々木と一緒に宣伝していて暴力事件を目撃した支援者と称するツイッターアカウントから「佐々木からは『選挙に集中したいから大きく騒がれたくない』と止められているが、デマだという者がうるさいので我慢できなくなったので言う。暴力事件は事実」とおかしな擁護がされた。しかし佐々木が受けた「暴力事件」なるものは、佐々木が自ら明かしたものである。

大阪W選挙、宣伝活動妨害事件(2015年11月)

2015年11月の大阪府知事選・大阪市長選の大阪W選挙では、政治活動として可能な範囲でのビラを配布していた共産党系の市民団体に対し、「選挙違反」と難癖をつけて絡む、警察を呼ぶ(警察は違反ではないとしてすぐに帰る)などの行為を、府内あちこちで組織的に繰り返した。

一般の運動員には絡むのに、宣伝に参加した共産党の宮本岳志衆議院議員を見かけた維新関係者は、宮本氏には絡まず「先生、お疲れ様です」などと挨拶し、宮本氏らの宣伝活動には妨害行為などはなかったという。このことについて宮本氏は、こういうやりとりがあったと紹介した上で「他の運動員に違反と難癖をつけるなら、国会議員である私が同じことをしても違反ということになるが、私には言ってこない。人によって態度を変えるような弱い者いじめのようなのは一番嫌い」という趣旨をfacebookで書いていた。

また維新のある東大阪市議は、共産党の宣伝カーの写真をアップし、実際は音での宣伝をしていないにもかかわらず「拡声器を使っているのは選挙違反」とデマを流した。

大阪市の教育予算「5倍」「6倍」「7倍」のデマパネル(2013年頃~)

大阪維新の会は、大阪市で橋下市政以降、教育予算を「5倍にした」とデマを流し、街頭演説の際のパネルや宣伝物にまとめている。数字は時間が経過するごとに、5倍が6倍に、6倍が7倍に増えている。2017年の堺市長選挙でもデマ宣伝が蒸し返されたとのこと。

しかし「○倍にした」と称する部分は、橋下維新の肝いり政策だけを抜き出した恣意的なもの。通常の集計に沿って計算し直すと、教育予算は橋下以前の市政と比較してもほぼ横ばい。

これらのことは、2014年の大阪市会でも、「○倍は事実ではない」と市の担当者が認めている。

橋下維新の肝いり政策も「塾代助成」「ICT活用」など、現場からは効果が薄いと不評のもので、通常の教育予算自体が横ばいという背景から日常的な教育活動にかける予算は事実上減り、教育活動に支障が出ている形になっている。

まとめ

他にも、「大阪市議・井戸正利や飯田哲史の数々の謀略発言」「杉村ネツゾーこと大阪市議・杉村幸太郎のメール捏造事件」など、維新の謀略には枚挙にいとまがない。

政策的その他の立場が違っても、人間社会としての最小限の必要なモラルは共有しているものではある。しかし維新はそういった共通の土壌すら共有できず、「自分の意に沿わない相手には暴力的な恫喝を加えたり、謀略で陥れてもいい」というチンピラ同然の、通常の良識が通じない集団である。