住吉市民病院、現地建て替えの方が安かった

維新政治によって「二重行政」のやり玉に挙げられ、近隣の府立病院と統合される形で閉院が決まっている大阪市立住吉市民病院。

住吉市民病院

住吉市民病院

この病院の統廃合問題に関連して、不可解なことが多数出ている。

統合で医療体制が縮小され、特に病院所在地の住之江区や隣接する西成区を中心とした周辺地域で、地域の小児周産期医療に悪影響が出るのではないかという疑問。

跡地に民間病院を誘致するという条件ながらも誘致が頓挫し、一度進出を表明した医療法人が撤退したこと。

そして近隣だけではなく広域で受け入れている難病児童のケアや障がい児などのレスパイト、社会的に困難な子どもや親の受け入れ体制が継承されないのではないかという指摘。難病で24時間の医療的ケアを必要とする児童について、2018年3月に予定されている閉院後の受け入れ先が決まっていない、関係者が途方に暮れているというニュースも流れた。

今度は新たな問題が報道されている。

2017年9月20日の大阪市会民生保健委員会。

大阪市は従来、統合新病院の整備を「30億円」と説明し、現地建て替えの場合は120床規模で57億円・80床規模で45億円と、いずれも現地での建て替えよりも安く付くと説明してきた。その説明は嘘・カモフラージュだったという疑惑が指摘された。

実際は、府市統合の新病院設置にかかる大阪府の見積もりは「60億円」だったということ。しかし大阪府の資料では小児周産期医療に関する「30億円」しか記載されていなかった。さらに、新病院設置にかかる費用はその後87億円に上方修正されている。

住吉市民病院については元々、老朽化に伴う建て替えが検討されていた。建て替えに際して、小児周産期医療に特化した病院として現地立て替えする案が出された。総合病院としての機能を残すべきではないかという意見もあったものの、小児周産期医療に特化した病院としての建て替え方針がまとめられていた。

しかしその後、市長が橋下徹に交代した。橋下が率いる大阪維新の会では「同じ種類の施設を、府と市でそれぞれ経営しているのは二重行政」と難癖をつけ、病院についても住吉市民病院から東に約2キロ先に大阪府立急性期総合医療センターがあるとして、統廃合方針を強引に出した。

しかし経費の面でも、現地立て替えの方が安く付いたと指摘されたことになる。

維新政治の最悪な面が現れたことになる。結論ありきで後から数字を操作してごまかし、つじつまが合わなくなる。都合が悪くなっても知らん顔。被害を受けるのは不特定多数の市民。