都市間の友好関係を壊そうとする維新・吉村市長

 吉村洋文大阪市長が、姉妹都市の米国サンフランシスコ市で計画されている旧日本軍の従軍慰安婦像設置について「日本政府の見解と違う」として懸念を表明し、撤回されない場合は姉妹都市解消もあり得るという書簡を、サンフランシスコ市長に対して出した。

 このほどサンフランシスコ市長からの返答が届いたと、大阪市が2017年10月4日に発表した。

 エドウィン・リー市長は、設置の是非については明言しなかったものの「公選の職にある者として、たとえ批判にさらされることがあろうとも地域に対して応えていくことが責務」とした。姉妹都市解消の問題については、解消された場合「両市の住民を傷つける。協調の将来を築く努力をしている人が不利を被れば恥ずべきことではないか」と懸念した。

 吉村市長や市長与党の大阪維新の会は、この件について2017年9月の大阪市会で、設置反対を求める決議案を出した。しかし自民党・公明党・共産党・一人会派「いくの」の反対多数で否決されている。賛成は維新と、政務活動費不正問題で一人会派になったが議員活動では維新と歩調を合わせている梅園周市議の「あべの」だけだった。

 反対の理由は、従軍慰安婦問題については外交問題で対応すべきで、都市の友好とは別問題、都市の友好を壊すような対応をしてはいけないというものだった。

 従軍慰安婦問題についてどう考えるかという論点は別としても、全く別のアプローチで対応すべき問題を持ち出して都市の友好を壊してはならないという視点では、維新以外の全会派が一致することになる。

 またサンフランシスコ市長の懸念も、大阪市での維新以外の全会派の議員の対応と共通するところがあるといえる。

 維新の対応は特異であり、非論理的で感情的なものであるということになる。感情的なアプローチで人気を取ろうと図り、それ以外のところに重大なしわ寄せがくるようなことはあってはならないことである。