2017.11.21大阪市会民生保健委員会:住吉市民病院問題の質疑

ニュース住吉市民病院, 大阪市会

2017年11月21日の大阪市会民生保健委員会で、「住吉市民病院用地への民間病院誘致について」が取り上げられた。

「二重行政」の名目で大阪府立急性期総合医療センターと統合する形で統合が強行された住吉市民病院。

地域の小児周産期医療への影響に加え、広域的にも重度心身障害児や社会的に困難な状況に置かれた妊婦・母子への援助など住吉市民病院が果たしてきた役割が、どこにも継承されないことが問題になっている。

住吉市民病院跡地への民間病院誘致が4度にわたって失敗し、2017年11月3日に吉村洋文大阪市長が突如として「老朽化で現地立て替えが検討されてきた弘済院附属病院を市立大学に移管して市大附属病院に改編した上で、住吉市民病院の敷地に移転させ、産科・小児科機能を付加する」という奇策を出した。

この日の委員会では、維新・自民・公明・共産の各市議が質疑に立っている。

維新は住之江区選出でもある佐々木りえ市議が質疑に立った。市のやり方を肯定しようと図りながらも、結局は質疑によって矛盾を顕在化させた形になった。

佐々木市議は「厳しい誘致基準では、何度公募をおこなっても民間病院の誘致はできないと思われる」と質疑で言及した。とすれば、ハードルが高い小児周産期医療の機能の維持には、公営のままの形でそのまま運営していればよかったということにもなる。

自民は床田正勝市議(東淀川区選出)・前田和彦市議(北区選出)、公明は永井広幸市議(平野区選出)、共産は尾上康雄市議(西成区選出)が質疑に立った。各議員とも、住吉市民病院の再編計画に対して批判的な質疑をおこなっている。

「二重行政を理由として病院の府市統合をおこなったのに、市大病院を誘致することになれば、府立と市立の施設が併存することにもなる。それこそ二重行政になるのではないか」とする質問が、維新からも含めて複数の市議から出た。

それに対して大阪市の担当者や吉村市長は「機能分担・役割分担ができているので二重行政にはあたらない」と繰り返した。

しかしそれならば、これまでも府立急性期総合医療センターと住吉市民病院は役割分担・機能分担をおこなっていたという事実があり、従来の体制でも二重行政ではなかったということになる。二重行政との口実で統廃合を推進したのは、前提自体が誤り・言いがかりだったということを、自ら認めたということにもなる。

住吉市民病院で長期入院している児童の受け入れ先が決まったかという質問に対しては、「年内までにめどをつけたい。病院機構として責任を持って受け入れ先を探す」という答弁が出た。直接的な表現ではないものの、現時点ではすべての児童の受け入れ先が決まっていないことを示唆する内容となっている。

吉村市長が「住吉市民病院跡地に弘済院附属病院を移転させる」とマスコミの囲み取材の場で表明したことについて、当事者はいつ知ったかという質問が出された。弘済院は「当日」、大阪市立大学の公立大学法人を管轄する経済戦略局の担当者は「囲み取材の場所で知った」と表明した。吉村市長が事前に担当部署と調整せず、マスコミの前で突如としてぶち上げたということにもなる。

このほか、統合の判断は誤りだったのではないか、医療機能の継承はどうするのか、などの質疑がおこなわれた。

委員会では、12月5日の次回委員会に住吉市民病院の院長と事務局長を参考人招致することを決めて閉会した。

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