「総合区」説明会が低調だそうです

2015年の住民投票で否決されたにもかかわらず、維新がしつこく蒸し返している大阪市の廃止・解体、いわゆる大阪都構想。

これに関連して、維新が大阪市の現行行政区の合併・再編を前提にして区の権限強化を図る「総合区」を抱き合わせで持ち出してきている。

「総合区」に関する住民説明会が、大阪市内各地で順次開催されている。しかし説明会は閑古鳥とのこと。

毎日新聞2017年12月20日(大阪夕刊)『大阪市 「総合区」説明会、閑古鳥 都構想、対案 市長出席1回のみ 本気度に「?」』が報じている。

 説明会は11月3日に始まり、今月23日まで。副首都推進局によると、開催済み20区の総会場定員6470人に対し、参加者1698人。開催曜日や時間帯も影響したとみられるが、定員の半数を超えたのは、都島区159人(定員300人)▽西成区64人(同100人)▽浪速区60人(同100人)▽阿倍野区161人(同250人)▽旭区69人(同130人)の5区。今月3日の中央区会場は定員300人に対し、参加者は38人だった。

開催済の行政区の平均では、会場の4分の1強が埋まるかという状態。座席定員と参加者数の割合では、一番多い西成区や阿倍野区でも定員の約3分の2弱しか席が埋まっていない。

吉村市長は「総合区」を「カムフラージュ」と発言したことも記憶に新しい。

また大阪市にとって大事なことは、制度いじりでもなんでもない。住民に根ざした施策を着実に進めていくこと。これを抜きにして大阪都構想、特別区、総合区だと騒いでも、住民にとっては迷惑な話でしかない。

大阪市の廃止・解体・特別区再編、いわゆる「大阪都構想」は、2015年の住民投票で完全に否定されている。

「総合区」については、そもそも「都構想」と天秤にかけるようなものではない。

また市役所本庁直下の部署・出先機関と区役所の役割の振り分けは、「総合区」でなければできないというわけではない。

さらに、「総合区」の設置について、現行行政区の合併を前提にしていることもおかしい。

大阪市のままでの行政区の再編・合併・境界変更は、今の24区体制が永久不変の固定的なものというわけではないだろうし、将来的に必要と判断された場合はそのときに検討するという選択肢は、理論的な手続き論としては否定できない。

しかし仮に合区を具体化しようとするのならば、各地域ごとの住民の要望や、それに基づいた合意など、十数年単位での時間が必要なことである。ましてや、行政区合併・再編とは全く別の概念の「総合区」との抱き合わせなど、とんでもない。

旧東区と旧南区が合併で中央区になったときには、最初に構想が出てから17年の時間を要したとのこと。

1970年代には、当時の中心部のドーナツ化と周辺部の人口急増を背景に、大阪市内で「中心部の区の合区」「周辺部の区の分区」の行政区の再編案が何組か出た。周辺部での区の分割は比較的スムーズにいった。しかしその一方で、合区案については、中央区や北区を除いては住民からの強い反対に遭い、立ち消えになっている。

1970年代に立ち消えになった案の中には、1943年の大阪市の行政区再編までは同じ区だった地域を、約30年後に再統合の案が出たという組み合わせもあった。それでも反対が出たということになっている。

「総合区」で想定しているのは、住民が特に望んでいるわけでもない区の合併を、長くても数年程度の期間で、しかも大阪市全域で強引に押しつけるという方式。これ自体がありえないことになる。

今すべきことは「総合区」でも「大阪市の廃止解体=特別区=都構想」でもない。とりあえずは現行24区のままを維持し、大阪市の住民生活の維持・発展に力を入れていくことではないか。