維新議員の「西成特区構想」デマ

西成区選出の維新市議、またデマ。

演説場所は岸里のデイリーカナート前。この議員の演説の大要。

環境改善や治安の問題、不法投棄対策など、西成ならではの諸課題があった。市長が旗振り役として取り組んだ。5年が経って少しずつではあるが成果が出ている。これを確固たるものにするためにも西成特区構想を継続して取り組む。

これまでの取り組み、プラスアルファ、イメージアップ推進。本来は住み心地のいい、人と人との絆を大切にする街であるにもかかわらず、残念ながら、昔のままのイメージのままでみられることがある。それを払拭して、2040年までに西成区の少子高齢化問題を解決していきたい。

いってることがめちゃくちゃ。

イメージアップ推進と「西成特区構想」は両立しない。

本来は住み心地のいい、人と人との絆を大切にする街であるにもかかわらず、残念ながら、昔のままのイメージのままでみられることがある」ということは、党派や立場の違いを超えて、この地域に土地勘がある多くの人の思いではあろう。

他の党派の政治家も、所属政党や政治的主張の立場の違いに関わりなく、西成区および区内各地域の街づくりという点では、かねてから「本来は住みやすい街」「否定的なイメージで扱われるのは極めて遺憾」と同じようなことを主張している。

では、イメージ悪化の原因は何かという問題が。

当ブログでもかねてから繰り返しているが、イメージ悪化は「昔のままのイメージ」を勝手に押しつけられること。

  • あいりん地域の一部の人にかかる現象を、故意に「西成区のすべて」かのようにすり替える。
  • 治安、教育・子育ての問題、社会福祉にかかる問題(生活保護受給率など)などにかかる否定的な現象に関して、日本全国どこにでも起きうる問題でも、たまたま行政上西成区になっている地域で起きれば、「西成」の地名を異常に強調し、「西成区の土地柄」にすべての原因をなすりつけようとする。

こういうことがまかり通ってきた。

「環境改善や治安の問題、不法投棄対策など、西成ならではの諸課題があった」というこの市議の認識も、特定地域の特定階層の現象だけを「西成」呼ばわりするもの。

たまたま行政上西成区にもかかっているだけのあいりんといわれる地域で起きている、よそから流入している人に関係するセンセーショナルな現象を、【西成区全域】の話かのようにすり替えて、そういう現象の代名詞として「西成」と呼ぶ。

特定の地域発・地域着の課題ではなく、都市広域の課題であり、隣の浪速区をはじめ「必要な状況があるときはそれに応じて取り組んでいく」問題なのに、「西成区」の地名を「どうしようもない地域の代名詞」扱いすることで解決策を見誤らせることになる。

そして、あいりんといわれる地域とも重なる《行政上の西成区北東部》では、地元の人が「あいりんの人たち」による地域環境悪化で困っていて、ゴミ不法投棄対策などの地域環境改善を求めても、1990年代までは一向に進まなかった。ひどいのになると「地元住民があいりん住民を差別している」かのような言いがかりも(むしろ、あいりんがおかしな地域でなければならないというおかしな思い入れがある者が、地元の人を差別しているかのようなことになっているのが実態)。

あいりんとは全く異なる住宅街でも、治安や環境・不法投棄の問題などはほかの区と大差ないにもかかわらず、「たまたま行政上西成区に入っているから、あいりんと同じような街でないと都合が悪い」かのような乱暴な決めつけをされ、「西成区だからどうしようもない凶悪地域に決まっている」とばかりの決めつけ・デマ宣伝が広められる。

西成区の本物の地元の人も含めた地域の事情に詳しい人が、いくら事実を対置してマイナスイメージ払拭を図っても、デマを垂れ流したい側にとっては、地域で日々暮らしている地元の人よりも自分たちのほうが詳しいとばかりにデマイメージを振りまき、地元の人を嘘つき呼ばわりする。

これが「昔のままのイメージ」を指していると思われる。西成区でも、区の南部や東部ではむしろ、昔も今もありもしない想像上のイメージに基づくデマといった方がいい。

デマを広め「昔のイメージ」を蒸し返したのは誰か――近年では維新

では、そういうデマを広めたのは誰か。

最初はあいりん関係の一部「活動家」や貧困ビジネスと、その主張を受けた一部マスコミ、さらには「アングラマニア」「アウトローマニア」気取りでおもしろおかしく騒ぐような連中だった。

それに加えて、最近になって「昔のイメージ」を蒸し返しているのは、2012年以降の「西成特区構想」と結びつけた橋下徹と維新(特にどうしようもないのが、維新市議の井戸正利)。

大阪市の廃止・解体、維新がいうところの「大阪都構想」では、大阪市を解体することで地域ごとに財政格差が出る。そして、西成区を含む新特別区の財政が立ちゆかなくなる危険性があるとして、「西成特区構想」を打ち出した。

しかしあいりんの課題を「西成区」と同一視するという間違った発想でしかなく、また「大阪都構想」と結びつけられたことで「西成区と一緒の区になると地価が下がる」など、「西成区」の地名を何かおかしなもののように扱う風潮ができた。

そして「昔の(行政上西成区にもかかっていた一部地域の)イメージ」を元にした風評被害は蒸し返され、強まっているように感じる。

「西成特区構想」という一方的な名称では、風評被害の払拭にはならない

「西成特区構想」なるものは、まともに見える部分は、前市政からの継続的な取り組みをそのまま継承したものにすぎない。

維新は「自分たちだけが一から取り組んだ。元々の地元住民も、維新以前の市政も、ずっと放置して何もしなかった」と印象操作して騒いでいる。実際は、市会議事録を見ても、こんなの嘘だといえる。

しかも維新は、「西成」の地名を何かおかしなものの代名詞として過剰に騒ぐことで、西成区の地名におかしなスティグマをつけることになる。この風評被害は看過できない。