「西成特区構想」でまたおかしな宣伝する吉村市長

街づくり報告書も従来の枠通り

今回出された「まちづくりビジョン有識者提言」。

西成区全域ではなく、特定のエリアの特定の「自分たち好みの現象」しか想定していないもの。中身も、行政・あいりん問題研究者・あいりん支援団体が互いに落としどころを探った妥協策ともいってもいいような内容。地元の人は置き去り。

これまであまり仲が良くなかったあいりん関係者同士の話し合いのテーブルが設定されたこと自体は歓迎されるべきことでも(しかし過激な一部支援団体は強硬策を続けているようだが)、「あいりん」には詳しくても「西成区」のことには詳しくないから、特定エリアにとって都合のいいときだけ「西成」呼ばわりするという根本的な問題は修正できていない。

あいりん周辺の環境改善自体は歓迎すべきことではある。しかしそれは「西成」と騒ぎながらではなく、地域の人との市民協働で静かにおこなっていくべきもの。

あいりん周辺だけを「西成区」扱いするという対応、さらに「特区」と称して西成区が何か特殊な街かのようなおかしなイメージを広めるような対応では、あらぬ誤解を広めることになる。

天下茶屋や岸里、玉出、津守などには、何の関係もない。それどころか、たまたま行政上同じ西成区に属しているというだけで、特殊な街呼ばわりされる風評被害だけはしっかりと押しつけられることになる。「西成区」がこれまで困ってきた内容の主なものは、こういう風評被害なのに、それを強めるような「西成特区構想」などありえない。

2012年の「西成特区構想シンポジウム」で住民から出された意見を、今一度思い返す必要がある。これらの指摘は全く無視され、事実に反したおかしな「西成」イメージを押しつけ再生産しているという気がしてならない。

▼西成400年の歴史の中でたった50年の人のながれのなかで、そこが西成だという発想はいかがなものか。400年のなかで地域ではぐくまれた歴史は?西成のことをほんとうに理解できているのか?西成=あいりんなのか。西成をほんとうにわかっているのか?
▼今回、議論された内容や方向性や課題は、一区民でも今までの役所でもわかってることや問題と感じていることに過ぎない。わざわざ“特区構想”として金と時間をかけた結果、何ができるというのか。
▼特区構想をたてる場合、何が西成の特性(固有)のかが明確でないといけない。例えば、生保にしても西成発西成着の固有課題とは思えない。戦後高度経済成長を支えた労働力が老い、病み、西成に集められている。国の施策(経済労働)のツケが西成(大阪の)の特性の様に扱われるのはおかしい。但し、現に課題となっていることは現実で、解決は、国家戦略であるべきだ。貧困や結核という名の「原発」は西成が解決する課題か?!!もっと立体的にぶ厚い歴史をふまえた戦略が必要ではないか?問いたい。
▼有識者が皆あいりん問題を研究しているのはいいが、あいりんが西成のすべてか?こういう内容だから、相変わらずマスコミの西成イメージが変らないのではないか?なぜ区民、一般の住民の意思が反映されないのか?

「あいりん総合センター」の建て替え問題について。

現地建て替えに固執してそれ以外の選択肢を拒否した維新市政と、建て替えを容認したあいりん支援団体・「建て替えすらまかりならん。あの建物をそのまま使え」と主張する別のあいりん支援団体の枠内の話でしかない。結局は、縮小とは言えども現地建て替えには変わりがなく、あいりんを新今宮周辺に固定化する役割しか果たしていない。

「西成特区構想」が呼び込んだ新たな地域ヘイト

そして「西成特区構想」のせいで、新たな差別も生まれている。中央区の維新予定候補者のツイート。

それこそ「何で西成区があいりんと一緒にされなアカンねん」である。補足すると、「一部の心ない人たちによって『あいりんでのおかしな現象だけが西成区のすべて』かのようにおもしろおかしくネタにされるだけの行為がある。そのことで、西成区がいわれのない風評被害で困っている。そういう間違った認識でネタにする行為をなくさせるべき」という意味である。当方はかねてから、ずっとそういうことを言い続けている。

「西成区=あいりん=おかしな地域」という妄想・デマ・地域ヘイトを振りまいた維新のせいで、維新信者がこのような「何で中央区が西成と一緒にならなアカンねん」などといった地域差別を振りまくということになる。

そもそも「大阪都構想」は区割りの問題ではなく、「大阪市の廃止・解体」が本質。維新が「区割りと近隣行政区合区」の問題にすり替えていることも、こういう地域差別に拍車をかけている。

2015年の大阪都構想の住民投票の際には、中央区や西区あたりの維新信者からは、都構想そのものには賛成だが区割りが気に入らないから住民投票では反対せざるを得ないとして「西成区と一緒の区になると地価が下がる」だとか、西成区と一緒の区になるのは気に入らないが大義のために鼻をつまんで賛成したなどといった、西成区ヘイトが振りまかれた。また西成区の維新信者は、西成の地名に悪いイメージを付けた根本原因を無視して「西成の地名をなくせば解決」かのようなおかしなデマを振りまいた。それらのヘイトが続いていることになる。