吉村洋文大阪市長、大阪城公園の「民活」が進んでいるという新聞記事に関連して、以下のようなおかしなツイートを。
ひと昔前の大阪城公園は、女性やファミリーが行こうと思う公園じゃなかった。さらに4000万の税金を使っていたが、今では民活で、2億円以上、市がもらっている。増税なき住民サービス拡充。賑わいも出て、女性や子供が集える公園になった。これからは夜も面白くなるよ。 https://t.co/SfXGMlcEdX
— 吉村洋文(大阪市長) (@hiroyoshimura) 2018年11月9日
昔の大阪城公園、そして昔の大阪をデマで貶める卑劣さ
さて、「ひと昔前の大阪城公園は、女性やファミリーが行こうと思う公園じゃなかった」とは、一体どこの世界の話なのだろうか。
維新政治になる直前の1990~2000年代でも、吉村市長が子どもだった頃の1980年代でも、さらにその前の時代でも、そんな話はない。今も昔も普通に「女性やファミリー」が来るような場所だったし、老若男女が普通に歩いている場所。親子連れで遊びに行く場所であり、学校や幼稚園・保育所・子ども会などの遠足での定番スポットの一つ。
大阪城公園ではかつて、ホームレス問題もあったのは事実ではある。しかし、ホームレスは広い公園の片隅にテントをかけていたものの、公園内は普通に一般利用者が行き来できる状況だった。
大阪城公園では、天王寺公園などとは違い、「ホームレスのために一般利用者が近づきにくい」などの状況は全くなかった。
なお、大阪城公園のホームレス問題については、「維新以前の」2000年代半ばにはほぼ解決している。
河内長野の千代田で育って昔の大阪市内のことはよく知らないのかもしれないが、それでも現大阪市長。大阪市の地域の歴史についてまともに調べようとせずに、また大阪市内育ちや長年の在住者がみればすぐに嘘だとばれるのに、事実に反する適当なことを吹き、昔の大阪城公園はとんでもない場所だったかのようなデマを流す。さらには、維新がネガティブイメージを変えたかのような印象操作。――市民や府民をはじめ、来訪者の思い出を貶めるような真似をするのは迷惑極まりない。
公園を「商業施設」としかとらえないのも愚策
歴史的な認識の誤りに加えて、公園を「商業施設」一辺倒の扱いしかしないのも愚策。
自然環境を保全する場所だったり、災害時の避難場所にもなりうる場所だったり、文化を保全し発展させる場所だったりなどの機能がある公園。「金銭的な儲け」という一面的な基準で見れば「効率的」ではないかもしれない。しかし市民生活からみれば、長期的な視野では極めて重要なもの。
「民活」といっても、民間の知恵も加えながら市民協働で公園のあり方や街づくり全体を考えるという意味ではない。単に民間商業施設に場を提供して商業的な儲けを追求しただけのもの。こういう一面的な扱いでいいのだろうかという疑問。