とあるリベラル系市議の「引退」宣言に思う

リベラル系のある若手女性市議が「引退」を決めたというニュースが、ネット界隈で反響を呼んでいる。

本人のフェイスブックの書き込みでは「他媒体への転載はご遠慮ください」となっているので直接的な引用は控えるが、要旨を端的にまとめると、支持者と称する人物から支持を装っての「活動に際して『自分の思い通りに動け』的な迫り方をした上、思い通りにならないと怒り出すなどの支配的な言動」「私生活への詮索・介入」などのハラスメントがあったとのこと。

当方の身近なところでも、支配的な言動や私生活への詮索・介入などは当然とばかりに、リベラル系の政党関係者や市民活動家などに対して「支持者だから、ないしは活動内での『地位が上』だから、何をしてもいい」とばかりにマウントをかけ、嫌がらせ・ハラスメントをおこなう自称「支持者」の事例をいくつか見聞きし、嫌な思いをしたことがある。当方の身近にあった事例については、被害者側の関係者のプライバシーなどに配慮する必要もあり、この場で詳細には書きにくいので控える。とはいえども、この議員が「被害を受けた」と訴えている内容と似た話も多く、他人事とは思えずに心が痛む。

同じ運動団体の関係者など周囲は、被害者に対して「我慢しろ」などという筋違いの“アドバイス”など加害者側に立った言動をおこない、被害をまともに取り合わない場合も多い。悪質なものに至っては「お前は向いていないから辞めろ」「被害を訴えること自体が運動への敵対行為。被害の訴えは、自分にとって気に入らない内容だから信じない、嘘に決まっている」と罵倒する扱いすら見たことがある。これではいじめの論理であるし、自分たちの仲間をつぶしていることにもなる。

「仲間」を装いながら、実際は後ろから撃ち足を引っぱってくる、それに少しでも抗議すれば逆に抗議した側が攻撃され、発端となった事件は放置される。こういったことは、対立勢力や無関係の人間からの嫌がらせとは比較にならないほどダメージやショックが強い。

このようなことがあってはならない。

おかしなミスリードは避けるべき

気になったのが、この議員に近い人たちが事件をネットで広める際、「年配男性活動家によるマンスプレイニング」の問題に一般化しようとしている例が、やたらと目立つこと。

当該議員への加害者となったのは、50代以上の男性が多かったという。当該事件に絡んでおかしな行為をした人物や、それを容認したり加勢した人物は、当然のことながら厳しく批判されるべきである。

その一方で、当該事件の加害者が「年配男性」だったからといって、「年配男性」属性の問題に矮小化して過度に一般化して、事件を口実にしてどさくさに紛れて普段からの「年配男性」「男性」属性への敵意や差別の矛先をむき出しにして一律に攻撃するような、自分たち好みの「フェミニズム」「ジェンダー論」を振りかざす人物が少なからず出たことには、違和感と危惧を感じる。

というのも、当方が直接被害を見聞きした事例については、加害者の属性が「30代~40代前半の女性」というケースが多かったからである。

「女性だから、特に若い女性だからお姫様扱いされるべき、男性から守られるべき」という家父長制パターナリズムを内在化させながら、その態度は本来のフェミニズム概念とは無縁ところか正反対に近いのに「フェミニズム」だと強弁する。気に入らないことがあれば感情的になって、それまでの内容には性別属性は何の関係がなくても、たとえ自分に非があることで注意を受けたとしても、「自分を甘やかさなかったから・自分にとって都合の悪い指摘をしたから・自分に逆らったから、女性差別だ」と女性属性を持ち出して恫喝する。このことで相手をひるませて泣き寝入りさせる。また女性というだけで周囲が(特に、鼻の下を伸ばしたおっさんや、イキっていい格好をしたいだけのチンピラDQN男が)、自分たちに加勢して対立相手を集団で代わりに殴ってくれることで、無理難題が通って有利にできる・思い通りになる。――そういった似非「フェミニズム」・ミサンドリー・ジェンダーハラスメント・ウーマンスプレイニングを背景に、暴言を吐き乱暴狼藉を繰り返すようなモラハラ気質の女性が、加害者になっていた。

似非「フェミニズム」やジェンダー論についてはこれ以上深入りしないが、「こういう事件の背景については、性別や年齢の属性の問題と単純に結びつけられない」というのが、当方の見解である。

特定の性別や年齢・世代が「加害者属性」で、そうではない属性を持つ人が「被害者属性」だと、いついかなる時も成り立つわけではない。

加害者や被害者がどのような属性を持っていても、問題の本質は「属性」ではない。自分が優位な立場にいるとして、「相手に対して何をしてもいい」とばかりに振る舞うようなハラスメントである。加害者が「年配男性」だろうが「若い女性」だろうが、それ以前にハラスメント自体が問題である。

属性の問題を過剰に一般化して矮小化することで、社会運動の中で「同等の被害を受けたのが男性だった場合」などこういう矮小化の類型にあわないハラスメントがあった場合、この議員を支持する人たちが一転して冷淡な対応や被害者攻撃のダブスタに陥ることを危惧する。

今回の事件を、似非フェミの「養分」に矮小化させてはならない。もっと根本的なところに問題がある。

おかしな承認欲求

では、ハラスメントを起こさせるような元凶は何かという問題が。

性別や年齢の属性で単純に片付けられるものではなく、性別や年齢を問わずに「支配欲」と「承認欲求」の肥大化、そしてそれを許すような周囲の体制ではないか。

体制といっても、特定団体の組織内のシステムという狭い意味にとどまらない。ブラック企業など個の侵害がはびこるような日本社会の風潮が、そういうのをなくそうと活動している左派系勢力にも悪影響を及ぼしているということになる。そして「左派業界」という世界では一転して支配者として振る舞うことになってしまうのではないか。

それらの間違った傾向を克服する必要がある。

以下のツイッターで指摘されていることは、当方もかねてから問題意識を持っていたこと。こういうことをなくしたい。

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