大阪市の水道を否定する橋下徹氏(1):「ほんまや」生産中止

橋下・維新水道事業

 大阪市の橋下徹市長は1月25日、大阪市水道局が販売しているペットボトル入り水「ほんまや」の生産中止を指示した。
 「ほんまや」の生産中止方針については、表向きは「1500万円の赤字」や「民業圧迫」をあげている。しかしいずれの理由も、あとからとってつけたものである。

 大阪市水道局は、局全体としては黒字が続いている。また「ほんまや」の赤字は、PRのために各地のイベントで無料配布したことや、東日本大震災で救援物資として大量に被災地に送ったことが大きな要因となっている。

 「1500万円の赤字」をやり玉に挙げる割には、橋下氏が大阪府知事時代に96億円の損失を与えた大阪府咲洲庁舎とか、何十億円かかるか分からないような「道頓堀をプールにする」などの構想に興味を示すなど、そういうとんでもない赤字は無視しているのも矛盾した話である。

 「民業圧迫」についても当たらない。「ほんまや」は大阪市内の限られた場所でしか販売されていない。「もっと販売場所を増やすべき」という逆からの批判・要望はありえても、「民業圧迫」にもなっていない。

 では、「ほんまや」生産中止の本当の理由はどこにあるのか。一部報道では、橋下市長は「ほんまや」を「平松前市長の政治的意図」とやり玉に挙げ、平松色を消す意図を示唆した。おそらく「平松色を消す」「前市政を全面否定する」ことが本来の目的だろう。

 「ほんまや」は2007年3月、関淳一元市長の時代に商品化された。2007年12月に市長が平松邦夫氏に替わり、平松市政時代の4年間を通じて販売やPRをおこなってきたものである。別に平松氏の政治的意図ではない。平松氏以前の市長の時代も含めた大阪市水道局の長年の研究・技術開発の一つの到達点ということが本質であろう。

 今から20年ほど前までは、大阪市の水道水は日本一まずいとも酷評されていた。取水する淀川の水質汚染のため、飲める水にするためには塩素を多く投入する必要があったことなど、出発点からして大きなハンディがあった。

 しかし水道局は長年にわたって開発を繰り返し、高度浄水システムを稼働させ、また水道水をペットボトルに詰めた「ほんまや」を商品化した。

 「長年の研究・開発の結果、ペットボトル入り水として商品化できるまで水質が向上した」という経過があるにもかかわらず、橋下氏は「平松前市長の政治的意図」と一方的に決めつけ、上から目線で否定している。

 橋下氏の主張は、異常と言わざるを得ない。もっとも、自分が政治的意図で目立つパフォーマンスしかしない・というかできないから、他人もしているに違いないという、心理学的にいう投影なのだろう。橋下氏が自らの政治的意図で目立ちたいがために、多くの関係者の長年の努力に「平松氏の政治的意図」と罵声を浴びせて全否定するという構図である。

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