維新跋扈の背景:歴史捏造のデマを流すことも一因では

Yahooニュースに「維新はなぜ大阪で勝ち続けるのか?」という論考が出ている。

維新はなぜ大阪で勝ち続けるのか?(古谷経衡) - Yahoo!ニュース
大阪W選は維新の圧勝で終わった。維新はなぜ大阪で勝ち続けるのか?そこには大阪の永い繁栄と凋落の歴史がある。大阪の歴史を駆け足で紐解きながら、維新の強さの「なぜ」を紐解く。

大阪の歴史を時系列で述べた上で分析している……という体裁を取っているが、少なくとも2000年代以降の記述についてはピント外れ。

記事によると、

 私がはじめて大阪を訪れた2001年。21世紀が始まったばかりだというのに、天王寺公園ではホームレスがたむろし、公共の噴水で堂々と全裸になって水風呂に浸かっていた。

同敷地内ではテント小屋が足の踏み場もないほど乱立し、1曲50円で歌えるカラオケ小屋(不法占拠)が繁茂していた。難波駅前は乱雑に止められた大量の自転車と、タクシーの三重、四重駐車の無秩序なカオス的光景が広がっていた。このような大阪の零落ぶりを何とか止めようと、大阪住民のマグマが爆発したかのように立ち上がったのが大阪維新であったのである。

(中略)あべのハルカスは日本で最も高い複合ビルとなり、あれだけ跳梁跋扈していたある種の利権団体の不正は、ここ10年でたちどころに暴かれ、そしてその主役たちは糾弾され、居なくなり、行政は透明化され不正や忖度の入り込む余地はなくなった。

大阪は維新の登場により激しく変わった。

だそうな。

時系列が切り貼りされて捏造されている。

このような歴史捏造、もっとはっきり言うとデマが、大阪維新のようなものが跋扈した原動力。維新もこの論考と全く同じ構図の歴史捏造デマを振りまいていた。

ファクトチェック

大阪では都市の発展に伴う負の側面として、ホームレス問題や、駐輪場不足での乱雑な路上駐輪などの問題が発生していたことは、歴史的な事実ではある。また「ある種の利権団体の不正」――おそらく不公正乱脈な同和行政、同和利権のことを指しているのだろうが――もあったことも事実ではある。

しかしそれは「大阪維新が解決した」わけではない

1990年代以前からの長年の地域住民の要望や地域での取り組みがベースにあり、2000年代を通じて、維新以前の市政のもとで具体的な解決策が目に見えて進んだもの。

ホームレス問題については、2000年代を通じて対策をおこなったことで格段に減っている。天王寺公園の「青空カラオケ」の撤去は2003年。

同和利権にメスを入れたのは関淳一市長時代の2000年代前半。共産党や市民団体などがかねてから同和利権を問題視して動いていたことも背景に、同和利権の問題がこの時期に噴出したことも相まって、また国の同和対策事業終了方針も加わって、同和利権へのメスにつながった。むしろ維新にこそ、一部に「同和利権関係者」と指摘されている議員がいる。

自転車の問題では、平松邦夫市長時代の2000年代半ばに駐輪場の整備を思い切って進めた。維新の支持者は「チャリ松」「自転車整理しかしていなかった」などと平松氏を揶揄・罵倒していたのを思い出すのだが。

あべのハルカスは近鉄の事業。民間が進めたもので、行政としての事業ではない。

維新やその支持者は、1990年代以前からの住民の取り組みや、2000年代に具体的に進んだ一連の動きをなかったことにして、2010年に現れた維新が一から前進させたかのように事実関係をねじ曲げている。2000年代の約10年間の状況は、なかったことになっているらしい。

少しでもまともな資料にあたって調べれば容易にわかることでも、維新やその関係者は何度もしつこくデマを振りまく。そしておかしな歴史捏造がまかり通るというとんでもないことに。

維新も当該論考の筆者もまともに調べていない、「イメージだけの大阪」でものをいっているのではないかという印象を受ける。

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