大阪市の水道を否定する橋下徹氏(2):柴島浄水場廃止

橋下徹大阪市長は、水道の府市統合と柴島浄水場の廃止も打ち出した。

大阪市では水道局が市内の上水道の給水事業を実施している。浄水場は柴島・庭窪(守口市)・豊野(寝屋川市)の3ヶ所にあり、3ヶ所が分担して大阪市内全域をカバーしている。

柴島浄水場の水は主に市内北部・中部を担当し、給水能力は日量最大118万トンで、市全体(243万トン)の6割を占める。
市内の水需要は最大時で135万トン。庭窪・豊野の2浄水場の供給能力は合わせて125万トンで、柴島を廃止すると水不足に陥る可能性もある。

橋下市長は大阪市以外の府内各自治体で作る大阪広域水道企業団(旧府営水道)との統合を前提として、統合の場合柴島を廃止しても現在の市・企業団両方を合わせれば供給に余裕が出るとしている。

しかし柴島浄水場廃止と水道の府市統合は、大阪市民にとっては何のメリットもない。根拠は以下の理由である。

(1)災害や事故などの可能性を考えると、供給能力にはかなりの余裕を持たせておいた方が、万が一の場合に融通が利きやすい。
(2)大阪市は水道料金が府下2番目に安く、また人口100万人以上の都市の中では一番安い。府市統合では水道料金が値上げされる可能性もある。

柴島浄水場の廃止、水道の府市統合は、全くのナンセンスである。

また柴島浄水場を廃止した場合、跡地を再開発するともされているが、これもめちゃくちゃ。

柴島浄水場自体、大阪市の歴史を担ってきた貴重な産業建築である。柴島浄水場内にある水道記念館(旧・送水ポンプ場)は国の登録文化財にも指摘されている。また柴島浄水場の桜は、花見の名所としても親しまれている。

柴島浄水場は1945年6月の第3回大阪大空襲で被害を受け、壁に弾痕の跡が残るなど戦争遺跡としての側面も持つ。

いろんな側面から見ても、大阪の歴史や文化の象徴のひとつといえるものである。それを安易に廃止すると言い出すなど、全く理解不能である。