2019年堺市長選挙、敗れたものの次につながるものに

2019年6月9日投開票の堺市長選挙。

竹山修身前堺市長の政治資金不適切管理問題と辞職の影響を受けて突然選挙となった。

当初は政令指定都市存続を求める側・反「都構想」を掲げる側は候補者すら決まらず、また自民党大阪府連が統一地方選挙後の新執行部で消極的な態度に転じたこともあり、無投票の可能性も含めて相当な困難が予想された。

維新は2019年4月の統一地方選挙、大阪12区補選と相次いで大勝し、大阪府内では勢いをみせていた。その流れから見れば、維新の楽勝が予想されていた。

堺市議に当選したばかりの野村友昭氏が、所属していた自民党を離党し、市議の職をなげうって出馬表明。大差で引き離される恐れという観測だったが、出馬表明後3週間で差を詰め、敗れたとはいえどもほぼ互角に近いところにまで持ち込めた。

勝ちきれなかったことは残念ではあるが、次につながる成果が出たようにも感じる。維新の側は、勝ったとはいえども表情は硬いまま。

出口調査の分析

開票時の出口調査では、維新支持は依然多いとはいえども、無党派層では野村氏への票が集まる傾向があった。

また執行部が「都構想」に協力する方針を示した公明党も、支持者の大半は野村氏に投票している傾向が読み取れる。

この点は希望ではないか。草の根からの超党派の市民の共同が鍵を握っていることを示唆しているといえる。

NHK出口調査(2019年6月9日)

NHK出口調査(2019年6月9日)

全体の投票率は前回市長選の比で5ポイントほど下がった。一方で維新候補への得票は、前回も今回も13万票台でほぼ変化なし。

維新信者・「都構想」支持者は投票に行くが、非維新の側に棄権した人が多かったことが読み取れる。

相変わらずの「都構想」隠し

維新は今回も「都構想」を徹底して隠す戦術をとった。

そもそも、2015年の住民投票で否決された「都構想」を「再挑戦」することが、おかしなことではある。そのくせ、議会答弁や記者会見・ネットなどでは「再挑戦」とほえている。

一方で肝心の選挙では、目玉政策なら正面に据えて訴えるべきということになるはずだが、大阪府知事選・大阪市長選に続いて「都構想」隠しとはおかしなことではある。

その代わりに「政治とカネ」の問題を打ち出した。

竹山前市長の問題は残念ではある。その一方で、維新の小林由佳・黒瀬大の政務活動費不正(=税金を私腹に入れたこと)を維新がかばってきた経緯を棚に上げて、維新がクリーンアピールするなどとんでもないこと。

維新は「竹山市長不信任に反対した他党はかばっている」と流していたが、実際はそうではない。竹山問題では、維新がパフォーマンスのために、竹山氏が説明を準備している段階で不信任案を出すなど、むしろ真相究明を妨害するような態度を取ってきたから、このタイミングで不信任案では不誠実となったものだそうである。

いずれにしても、維新の言い分は支離滅裂で、道理はないということにもなる。

これからが正念場

維新は「市長の座を得たから民意」とうそぶいて、強引なことをしてくることも予想される。

しかし、民主主義の仕組みや行政の仕組みはそういう単純な話ではない。選挙の結果で全面委任ではない。あらゆる機会を通じて、市民の声を反映させる取り組みを進めることが必要になる。

堺市では、政令指定都市でとしての独自権限をフル活用した施策が縮小されることも予想される。また「都構想」についても、大阪市や大阪府の動きと連動して進められる危険性もある。食い止められるような継続的な取り組み体制を、今から草の根で準備していくことが重要になってくる。

 

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