大阪市の存続に賛成。大阪市の廃止、いわゆる「大阪都構想」は、市民自治の権限と財源を奪う暴挙であり強く反対。

「都構想」、推進派からは判断材料が示されていない

読売新聞2020年1月5日の社説『大阪都構想 住民の判断材料を明確にせよ』が興味深い。

大阪都構想 住民の判断材料を明確にせよ : 社説
行政の枠組みを変えることが、地域の将来にどう役立つのか。住民に重い選択を求める以上、丁寧に説明していくことが欠かせない。 大阪市を廃して特別区に再編する大阪都構想を検討していた大阪府・市による法定協議会が、制度案の大枠

大阪維新の会が提唱した、「大阪市を廃止して現大阪市域を複数の特別区に分割しようとする」という、いわゆる「大阪都構想」について言及している。

社説では、以下のような指摘が。

 残念なのは、構想の利点ばかりが強調され、疑問点について議論が尽くされていないことだ。

 歳出削減効果の試算方法には異論もあり、効果は限定的だとの指摘も少なくない。

 予算の使途は、特別区、区議会が判断することになる。現状の住民サービスが維持されるのか、市民には不安視する声もある。

 明治以来の歴史を持つ大阪市に愛着を持つ市民も少なくない。

 府と市は今春、住民向けの公聴会を行う。維新代表の松井一郎市長は制度説明の場とし、意見表明は基本的に受け付けないとしている。こうした対応はいかがなものか。

懸念やデメリットについて、十分な説明がなされていないのではないかという指摘。

「説明できないから強引に押し切るのでは」という疑念

そもそも、十分な説明がないままというよりは、「まともに説明できないから、疑問点や懸念を表明させない。指摘されてもデマだなどと声高に言い立てて封じようとする」という手法しかとれないのではないかという印象を受ける。

「都構想」の費用効果なるものは、まともな学者からは相手にされず、維新ブレーンのつてを頼って嘉悦学園に都合の良い結果を出させたものだと指摘されている。

またそもそも、2015年に住民投票によって否決された案を「5区がダメなら4区」と区割りを変更したなどのというつまらない理屈で再び持ち出したもの。

法的拘束力を持つとされた住民投票の結果を無視すること自体、法的な問題があるのではないか。

またあくまでも「大阪市の解体」なのに、「行政区の合併」「区割りの問題」にすり替え、合併先がどこかという話に矮小化することも許せない。

「都構想」のベースは前回と変わっていない上、しかも今回の案については、特別区庁舎設置費用の圧縮と称して自治体区域外に合同庁舎を設置するなど、2015年案以上に劣化したものだともいえる。

住民サービスの縮小が予想される

住民サービスについても、保障されない可能性が高い。

財源が府に取り上げられるので、現大阪市域の財源を単純に4分割するわけではなく、一部が府に行く形になって使える予算が少なくなる。

また権限についても、現在は政令指定都市として都道府県と同格の権限・都道府県から委託された事務が府にいくことになるので、特別区では独自にできない・府との協議が必要になる事項も多く出てくる。

政令指定都市・大阪市では、府の仕事の一部も委託され、住民に身近な行政はワンストップで市でも行えるようになっている。

道路一つとっても、補修の必要など不具合が表れた場合は、一般の市では設置者を調べた上でしかるべき連絡先に割り振ることになるが、大阪市の場合は府道も市が一括管理している(さらに大阪市の場合は、国道の一部区間も)ので、市の担当部署に連絡すればワンストップで対応できる。

児童相談所も、一般市区町村が設置するには国から政令で認定される手続きが必要だが、政令指定都市では設置義務となっている。

さらに「大阪都構想」では、事業によっては一部事務組合を作ることになる。一部事務組合では、行政のチェック機能が効きにくくなるおそれもある。

危険な「都構想」、市民の共同で阻止を

大阪都構想なるものは、デメリットばかり指摘されて、メリットらしきものは全くない。

住民に身近な行政どころか、逆に住民から遠くなる危険性があるという代物。また財源の問題や自治権の問題なども重大。

さらには大阪市が育んできた歴史や文化への敬意がなく、乱暴に「破壊する」ことも問題。

デマや恫喝ではなく、客観的事実に基づいて、デメリットを慎重に判断したい。

みおつくし

みおつくしの碑(大阪市港区)。船の航行の目印として立てられた「みおつくし」は、大阪市の市章にも採用されています。

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