維新の大阪市議から、「『住吉市民病院をなくしたから新型コロナ患者の受け入れができない』というデマがあった」という内容が、ツイッターで流布されている。しかもそれは「反維新」が流しているという印象操作ともセット。
例えば以下の、佐々木りえのツイート。
住吉市民病院を閉院したからコロナの病床がなくなったというデマがあるとか。
たとえ閉院していなくても小児産婦人科の病院です。
救急も対応できません。
ですから、新型コロナの患者の受け入れはできないのです。
また、病床数も府市母子がカバーしているので、特に減ってるわけではありません。— 佐々木りえ(大阪市会議員) (@sasaki_rie) March 13, 2020
今後の医療崩壊を防ぎ、活動をゆっくりと平時に戻していくために知事も市長も必死で動いています。
無闇に不安を煽るのはいかがなものでしょう?
こんな時に維新も反維新もないと思うのですが。— 佐々木りえ(大阪市会議員) (@sasaki_rie) March 13, 2020
吉村洋文知事(前大阪市長)が、新型コロナウイルス対策として「休床となっている病棟の活用」を打ち出したことで、どさくさに紛れて住吉市民病院の話も出てきた様子。
住吉市民病院については、かつては総合病院だった時代も長く、スペースだけはあるかもしれない。しかし今すぐ開けても「スペースだけあっても設備はない」「すでにあちこちに散ってしまった医療従事者をどこからかき集めるのか問題」など微妙な問題が出てくるかもしれない。
コロナ患者を住吉市民病院では受け入れられるのではという話は、確かに微妙ではあり、そのまま肯定するわけにもいかない。
とはいえども、休床病床の話を最初に出してきたのは吉村知事である。
住吉市民病院という具体的な病院名を最初に名指しして持ち出したのは誰か知らないし、当方で調べた限りでは確認が取れていないが、一概に「反維新」(維新と「反維新」の2項対立に落とし込むような、このレッテル貼り自体が雑だが)のしわざとは決めつけられないような印象を受ける。
コロナ関係なしに、住吉市民病院で産科小児科医療体制が減ったことは事実
そして維新議員は、コロナ問題の「デマ打ち消し」に紛れてデマを蒸し返している。
佐々木りえの病床数も府市母子がカバーしているので、特に減ってるわけではありません
という発言。
また飯田哲史の以下のツイート。
住吉市民病院の病床を使って住吉母子医療センターを作って小児救急は飛躍的に良くなったと思っています。以前ならできなかった24時間の救急などは典型的。医療を良くするため医療資源の効果的な活用にも病院の集約化、機能強化は待ったなしだと思います。
— 🌻大阪市会議員 飯田哲史 (@satoshi_iida) March 13, 2020
これらは明らかにデマといえるほどの疑問。
果たしてそうなのか。
物理的にも明らかに病床が減っているわけだが。
医療体制についても、「地域在住の乳児が体調を崩して、最初に受診した診療所から住吉母子医療センターへの入院を打診したものの、満床で断られ、最終的には遠くの病院に入院した」という訴えもある。

たまたまそのときのタイミングが悪かったというわけではなく、住吉市民病院があった時代から病床数が足りない・他地域に急患を回す率が高いと指摘されてきた地域でもある。
新型コロナ問題のどさくさに紛れて住吉市民病院での愚策を正当化するのは、人命をなんだと思っているのか。