大阪市の存続に賛成。大阪市の廃止、いわゆる「大阪都構想」は、市民自治の権限と財源を奪う暴挙であり強く反対。

大阪市議選中央区再選挙、これからの取り組みの方向うかがわせるものに

2020年3月22日投開票の大阪市議選中央区再選挙。

維新議員の選挙違反・有罪失職に伴うものだったにもかかわらず、何の反省もなく候補者を立てた維新が当選した。

2020年3月22日大阪市議選中央区再選挙開票結果(大阪市選管ウェブサイトより)

2020年3月22日大阪市議選中央区再選挙開票結果(大阪市選管ウェブサイトより)

その一方で選挙結果を詳細に見れば、結果は敗北だとはいえども、次につながる内容があるのではないかとも感じる。

投票率は2019年の市議選より半減。それに連動して全体の投票者数も半減し、各候補者の得票にも影響を与えているが、維新候補の得票は前回の2人あわせた数よりも1万票弱減らすほぼ半減。一方で自民候補は通常選挙の約3分の2と減少率は維新より少なく、共産党に至っては投票率半減の中でも共産候補の票を約200票増・前回比約1.06倍に積み増している。

また得票比では、維新の得票率は前回通常選挙の55.92%から減らし、50.49%となっている。50%割れとまでいかなかったのは残念だが、自民・共産を足せば「反都構想・大阪市存続」がほぼ互角というところまで詰め寄っている。

自民党・共産党それぞれの動向についてはさらに詳細な分析が必要かもしれない。少なくとも維新・「都構想」についてはという観点からみると、まだ差があるとは言えども一定巻き返せる見込みもあるという印象も受ける。

中央区は維新の勢力が特に強い地域の一つともいわれ、大阪市内でも維新支持率が特に高い水準で出てきた経緯がある。参考までに2015年住民投票時は、中央区では賛成54%・反対46%の割合となっていた。ほぼ互角に近い状態になったことは、前進に転ずる手がかりともなるのではないか。

新型コロナウイルス問題の影響で感染防止対策のため、屋内演説会、支援者や一般市民に大々的に告知しての大がかりな街頭演説などは自粛せざるを得ない制約が出たなど、選挙宣伝のやり方にもこれまでにない工夫が必要になった。そういう過去に例がなかった条件の下でも、投票率は減ったものの維新の減り幅が大きく、非維新側は比較的持ちこたえたのではないかとも受け取れる。

投票率とあわせて考えると、維新は信者の固定票がこれくらいあるともうかがわれる。信者そのものを減らすとともに、浮動層を棄権や維新に向かわせるのではなく、自民党系、共産党やその他国政野党系それぞれの「維新以外・大阪市存続支持」の票にどれだけつなげていくかも課題になってくる。

維新のおかしさ

維新はこの間、おかしなことを繰り返してきた。

住民投票で明確に否決されて歴史的に決着済みの「都構想」の「再挑戦」もおかしければ、再選挙のきっかけとなったのは維新市議の行為であるということもおかしい。

選挙期間中のおかしな行為

選挙期間中には、「給食無償化」を言い出した。維新はこれまで、他会派が提案しても暴言を含めた強い調子で否定し続けてきたものであるが、過去の経過は何事もなかったかのように「自分たちの実績」として打ち出そうとした。

大阪市の「給食費無償化」構想、維新のおかげではない
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維新はこれを「自分たちの実績」扱いしようとすり替えることを図ったものの、しかしこれは長年の住民世論に基づく住民運動・議会陳情活動・議会質問などの地道な取り組みの積み重ねがあり、それに維新が抗しきれなくなったみるべきである。共産党や自民党など各会派がそれぞれの立場で市民と共同して実現した実績だとはいえても、決して「維新の実績」ではない。維新は「実績横取り」と言うべきもの。

また新型コロナウイルス対策として、「大阪府・兵庫県の府県境をまたぐ移動の自粛」を呼びかけた。しかしこれは、「専門家のメモを国の通達と偽ったもの」「しかもメモ内容に記された専門家の見解をねじ曲げる」という二重の意味での狼藉。しかも兵庫県が汚染地帯で大阪府はそうではないとも受け取れるような、兵庫県や兵庫県民に喧嘩を売っているとも受け取れるようなもの。

全国的にはひんしゅくや笑いものになっている様子。

新型コロナウイルス「府県境またぎの往来自粛」:混乱を生み笑いものになっただけの維新首長
新型コロナウイルス問題で2020年3月19日夕方、松井一郎大阪市長と吉村洋文大阪府知事が突然おかしなことを言い出した。 「大阪府と兵庫県の府県境をまたぐ往来の自粛を呼びかける」。 「3連休 大阪府~兵庫県の往来自粛を」大阪府知事...

しかし在阪マスコミは、維新への報道が甘い。在阪マスコミを取り込んで「やっている感」だけは演出する。

維新陣営は、選挙活動中に公然と選挙違反をやっていたという情報も。屋外での候補者の顔・氏名入りのポスターは公営掲示板のみに制限されているのに、候補者ポスターを首からぶら下げたり自転車の前かごに付けた維新運動員が回っていたとか。

新型コロナウイルス問題と住民投票

さらに新型コロナウイルス問題の収束の見通しは立たない中で、維新は政党の方針として「2020年11月の再度の大阪市廃止住民投票」に突き進むことを明らかにしている。

「都構想」=大阪市の廃止・解体自体が最大の市民生活破壊であり、カルト同然と言ってもいいようなデタラメなもの。そもそも住民投票自体が中止されるべきである。しかし少なくとも、新型コロナウイルス問題に一定のめどが立つまでは説明会などで市民の理解を得る機会が減少することになる。そういったどさくさに紛れて、理解を得るプロセスを経ないままに強行しようとばかりに策動していることになる。

法定協では「都構想」の出前協議会は新型コロナウイルス対策で中止するという報道がされているが、11月の住民投票については依然として中止・延期の声は聞こえてこない。

維新のやっていることは「おかしなこと」ばかり。

マスコミを取り込んでのデマ宣伝、選挙違反なども含めた維新策動に対して、草の根からほぼ互角に近いところに持ち込んだところに、今後の取り組みのヒントが隠れているという気がする。

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