大阪市の存続に賛成。大阪市の廃止、いわゆる「大阪都構想」は、市民自治の権限と財源を奪う暴挙であり強く反対。

「コロナ禍でも住民投票できる」というごまかし

松井一郎維新代表・大阪市長が2020年7月7日、取材に対して以下のように述べたというニュースが。

維新松井代表「コロナ禍でも住民投票できる」

産経新聞 2020.7.7

大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は7日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で行われた東京都知事選を受け「半数以上の有権者が投票に行った」と指摘。「コロナ禍でも民主主義の根幹である選挙や住民投票はやるべきだ」と述べ、11月1日に大阪都構想の住民投票を実施する考えを改めて強調した。

松井氏は市役所で記者団に、都知事選の投票率が55・00%だったことを踏まえ「みなさん選挙への高い意識を持たれ、投票に行った」と分析。コロナ禍でも感染防止対策を講じつつ、住民投票を行う意向を力説した。

この言い分には、二重のごまかし、すり替えが。

2015年住民投票の結果は?

一つ目は、「民主主義の根幹」というなら、2015年の住民投票の結果を尊重すべきであるという点。2015年5月17日の住民投票では、大阪市の廃止・解体と現大阪市域への特別区への分割、維新がいうところのいわゆる「大阪都構想」は否決されている。住民投票の結果は法的拘束力を持つとされ、また否決されたことで維新の側も終わったとしたもの。

しかしそれをなし崩しに「再挑戦」を持ち出し、二度目の住民投票をおこなおうとしている。いわゆる「大阪都構想」については、区割りが5区から4区に変わっただけで、根本的な問題点は2015年ののものの焼き直しでしかない。

大阪市の財源が府に吸い上げられて特別区独自の財源が少なくなること、教育・児童相談所・都市計画・道路など政令指定都市独自の権限が失われて独自施策ができにくくなること、

単純に大阪市だけの問題ではなく、周辺自治体にも影響を与える。大阪府は管内43市町村それぞれと連携して府域の対応をおこなうが、現大阪市域中心部の商業地にのみ投資して郊外住宅地や工業・農業地域などへの連携がおろそかになる危険性もでる。

さらには新特別区と隣接する周辺市については、住民投票などを要せず議会での議決だけで特別区に移行できるともなっている。同じ政令指定都市の堺市はもちろん、中核市などとして府から権限の一部を移譲されている周辺市の権限も減らされることになりかねない。

選挙と住民投票との混同

二つ目は、任期満了で必ずおこなうことが法令で定められている選挙と、そのような定めのない住民投票を故意に一緒にしていること。

一般的にいえば、必要だと判断されるときに住民投票をおこなう事自体はある。しかし松井・維新がしようとしている住民投票は、前述のように「そもそもする必要がないもの」。一般論と個別の話を故意にすり替えてはいけない。

さらにはコロナ禍により、医療・公衆衛生・経済・雇用・産業・教育など社会の多くの場面に強い影響が出ている。行政としてはコロナ対応に全力を挙げることが求められる状況になっている。

選挙については、阪神淡路大震災や東日本大震災(いずれも統一地方選挙の年の選挙直前に発生)の際に特例で被災地自治体での選挙を延期したことがあることも踏まえて、特例法を制定して任期と選挙を臨時延期してはどうかという見解も一部から出たものの、結局そういう法律は作られなかったことで、通常通り選挙をおこなうことになっている。

しかし住民投票は、いずれは必ずしなければならないというものではない。「言い出しっぺ」がいて初めてやるということになる。コロナ対応に全力を挙げるこのタイミングでは、仮にどんな内容で住民投票をするにしても不要不急のものになる。しかも住民投票にかけようとしている内容は、すでに以前に決着が付いた内容。余計に不要不急のもの。

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