大阪市の存続に賛成。大阪市の廃止、いわゆる「大阪都構想」は、市民自治の権限と財源を奪う暴挙であり強く反対。

「みおつくし」は単なる「市役所ロゴ」ではない

こんなツイートを見かけた。

ツイート主、2020年11月1日の住民投票で、大阪市を解体して特別区に切り分けることを推進する、維新側の「OSAKA4区」ロゴの作者である様子。

こんな低レベルの歴史無視の認識で大阪市解体に口を出すとは。

大阪市民にとっての「みおつくし」とは

「みおつくし」は大阪市章であるが、ただの「市役所ロゴ」以上の歴史的・文化的な重みを持つもの。

海に面していて、波が速い地形となっていたことから「なみはや」「なにわ」とも呼ばれた今の大阪。浪速・浪華・難波などの字が当てられ、「難波(なんば)」も地名の由来としては同じということになる。

そして現大阪市域の南寄りにあたる海は「すみのえ」と呼ばれ、住吉・住江・墨江・清江などの字が当てられた。住吉区および住之江区、さらに住吉区内の地域の墨江(すみえ)、住之江区内の地域の清江(きよえ)などの地名の由来となっている。現代の地理では読み方が異なり、場所も近所だとは言えども微妙に異なるものの、語源としては同一の由来ということになる。

船の航行の目標として立てられたのが「みおつくし」(澪標)。古歌にも多数詠まれ、百人一首にも「みおつくし」が入っている歌がある。

澪標住吉神社

澪標住吉神社(大阪市此花区)。遣唐使の航路安全を願い、一行の帰路を迎えるために澪標を立てたことが、神社の始まりだといわれています。

みおつくし

澪標住吉神社内にある「澪標」の碑

そして時代が下り、大阪市制が発足すると、みおつくしは大阪市の市章に採用された。大阪は港湾からも発展したという歴史から、大阪市の象徴でもある。

みおつくし

みおつくしの碑(大阪市港区)。船の航行の目印として立てられた「みおつくし」は、大阪市の市章にも採用されています。

大阪市消防局の局章、大阪市立大学の学章、大阪市会の議会章なども、みおつくしを取り入れた独自のデザインを採用している。

さらに周辺の自治体や企業にも、大阪市の「みおつくし」の存在が影響を与えている。

高槻市の市章は、大阪市と京都市のほぼ中間に位置することから、両市の市章を組み合わせたものをモチーフにした上で、高槻市の「高」を形どり、両都市とともに発展する市という意味合いを込めている。

京阪電鉄の社章は、京都と大阪を結ぶ鉄道という意味合いで、みおつくしを組み合わせて「京」を表現したデザインとなっている。

阪急電鉄の社章も。現在は変更されているものの、1992年まで使われていた社章は、大阪・神戸・京都を結ぶ鉄道という意味合いで、大阪市章・神戸市章・京都市章を組み合わせて図案化したものを使用していた。

大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)の社章は旧大阪市交通局の局章を継承し、交通局からさらに前身の大阪市電気局時代に制定された、みおつくしと「電」の文字を組み合わせて図案化したものを使用している。

大阪市の廃止は文化破壊

そういう歴史的なものを踏まえずに、ただの「市役所ロゴ」呼ばわりには違和感を感じる。

維新は文化破壊者だとしか思えない。むしろ、歴史や文化などどうでもいいと思っているからこそ、普通なら考えることすらありえないレベルのことにも手を出すのかと思わざるをえない。

大阪市がなくなるということは、単に「大阪市役所がなくなる、再編される」というレベルの話ではない。維新の側はそういう方向に意図的にすり替えようとしているが、とんでもないこと。

大阪市が政令指定都市として持ってきた権限と財源を奪うことにほかならない。市民により近いところでおこなう街づくりが、権限が奪われ、また財源も十分に保障されない元で進めざるをえないことになる。

そのことによって、これまで大阪市が大阪市として積み上げてきた歴史・文化を途切れさせ、次世代に継承できなくさせるということにもつながる。

維新は市役所だけでなく、大阪市の街そのものと、大阪市で生活する人々への攻撃の矛先を向けているということになる。またこれは大阪府の視点からみても、また関西広域圏の視点からみても、大きな損失となる。

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