大阪市の存続に賛成。大阪市の廃止、いわゆる「大阪都構想」は、市民自治の権限と財源を奪う暴挙であり強く反対。

「西成特区構想」維新動画をファクトチェック

維新は「聞いトコ!知っトコ!トコーソー☆」と題する動画をアップし、「都構想」宣伝をおこなっている。

西成特区構想に関する動画も上げられている。動画には西成区選出の辻淳子・藤岡寛和の両市議が出演し、維新が西成特区構想を進めてきたと宣伝している。

前半の動画では辻市議が、後半の動画では藤岡市議が主にしゃべっている。しかし内容もめちゃくちゃなような。

以下、検証。

聞いトコ!知っトコ!トコーソー☆ 西成特区構想について①

聞いトコ!知っトコ!トコーソー☆ 西成特区構想について①
「あいりん地域を変えたのは橋下、西成特区構想。」

違う。

地域住民の長年の取り組みがベースにあったもの。

橋下市長が西成区をえこひいきするとして始まった西成特区構想。私たちはあいりん特区構想だと思っている」(動画1分42秒頃)

重大な発言。

あいりん地域での現象を面白おかしく言い立てたうえに、その現象を「西成」呼ばわりされることこそが、「西成区」が苦しんできた風評被害。

そのせいで、あいりんの影響を直接受けていない地域でも、行政上西成区に入っているというだけで、勝手におかしな街だと決めつけられる風評被害を受けてきた。

西成区出身や在住の人間と知ると異常に食いついてくる者がいる。家の近所や生活圏内で見たことも聞いたこともないものを「それがお前らの町だろう」と決めつけてくる者がいる。など。

動画ではこの発言に至る前に、そういった風評被害について触れておきながら、それを変えるのが「西成特区構想」というのは、矛盾ではないか。

風評被害解消のためには、「あいりん」という大阪広域の都市問題としての社会現象と、「西成(区)」という地名を切り離さなければならない。しかしそれを同一視することで、結びつけることを強化しているということになる。

「あいりん特区構想と思っている」というなら、最初から「あいりん特区」といって推進しておけばいい。

しかし「あいりんの課題」の代名詞として「西成」と使うことで、「あいりんの課題」は曖昧となる。「あいりん以外の西成区の街づくり」については何の興味もないという扱いで、「あいりん=西成」という間違ったイメージが固定化され、「西成区」の地名への風評被害だけが蒸し返されることになる。

「あいりんの課題」の意味で「西成」と使うこと、それ自体が風評被害。

「町内会や商店街などと、日雇い労働者やホームレスの支援団体などの利害がかみ合わず、まとまらなかった。しかし橋下が旗を振って大きく動き出した。」(大要)

事実の中に巧妙に嘘を混ぜ込む手法。

地元の人は何十年も前から「ほかの街と大差ない、普通の街にしたい」という思いで地域環境美化・風評被害払拭の取り組みなどをしてきた。

いわゆる「あいりん」については、単純に撤退を求めるという性格ではないことに配慮しながらではあるが、国・府・市が連係した広域的なものとして取り組むこと、流入者を特定地域だけに押し付けるなどの負担がかからないような形で、またそもそもの話として前居住地などで必要な社会的支援が受けられるようにするなどのことを求めてきた経緯がある。

議会でも、辻市議の父親の辻昭二郎元市議も含めて、西成区選出の歴代市議は党派に関わりなく、そういうことを議会で発言している。

その一方で、一部の「あいりんの人」や、よそから来て面白おかしく言いたがる人などに、あの一帯を「聖地」かのように扱い、「特定の方向性の街」として固定化させたいと受け取れる振る舞いもあった。あの一帯が「ああいう街でないと都合が悪い」かのように振る舞っていると受け取れる態度で、しかも「あいりんの人」の団結・共同を図る文脈では「釜ヶ崎」、否定的な現象をいうときは「西成」と都合よく使い分ける傾向などもある。

極端なケースになると、地域環境改善を求める地元の人に対して、「あいりん住民への排除・差別」と一面的に扱うような風評も一部にあった。

それらのことを背景として、元々の地域の人と「あいりんの人」との間に温度差があったことは事実ではある。

しかしながら、地域の人が何もしていなかったところに、橋下が救世主のように現れてまとめていったかのようにいうのは事実ではない。

「あいりんの人」対策だけでなく地域環境についても両立する形で進めてほしいという地域住民の長年の思いと取り組みが行政を動かし、橋下以前の時代からずっと動き出していたものである。

橋下が現れたタイミングは、地域の人と行政の長年の取り組みが実を結び始めたタイミングとたまたま重なったという偶然に過ぎない。そして橋下は、取り組みにそのまま乗っかっただけに過ぎない。

むしろ橋下維新は、「いい」と言えるような個別施策は継続事業の一方で、「あいりんでの否定的な現象=西成」と結びつける古い偏見を捨てず、地域住民のそれまでの取り組みを無にするかのような振る舞いをし、排除と分断を蒸し返した側。

先述のように、「西成特区構想」を「あいりん特区構想」扱いで、あいりんの課題を都合のいいときだけ「西成区全域」にかぶせてきた。

「西成特区構想で、ゴミの不法投棄なども対応されるようになった」

ゴミの不法投棄対策などは、「維新以前」の時代から動いている。別に橋下や「西成特区構想」だけの成果ではない。

少なくとも1990年代には、あいりん地域でのゴミ収集について、通常地域よりも早い時間の収集、回数も増やすなど、特別の体制を取って対応していることが、市会議事録でも触れられている。

また平松市政のもとでは、不法投棄対策の監視カメラなどの設置もおこなわれている。

前市政からの地域住民と行政の継続した取り組みにもかかわらず、橋下・維新は、自分たちだけがゼロから積み上げたかのように嘘をついているということになる。

そして後半動画のチェック。

聞いトコ!知っトコ!トコーソー☆ 西成特区構想について②

聞いトコ!知っトコ!トコーソー☆ 西成特区構想について②
駐輪場を増やした。

これは別に西成区北東部だけの課題ではなく、大阪市全域としての取り組み。この地域だけの成果ではない。

しかも、駐輪場が足りずに不法駐輪が多かった大阪市内で、駐輪場増設に道筋を付けたのは、2000年代後半の平松邦夫市長の時代。

維新の支持者は、自転車駐輪場増設に取り組んだ平松市長を「チャリ松」「駐輪場のおじさん」「自転車整理しかしていなかった」などと揶揄し、駐輪場整備を否定的に見ていたのだが。

いまみや小中一貫校

動画では「新今宮小中一貫校」となっているがそれはともかく。

区外からの入学は増えていると自賛している。その一方で、西成区の学校選択制資料を見ると、元々の校区住民が周辺校に流出しているのではないかと推定できるような動きがあるのだが。

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