大阪市立中央図書館に立ち寄ると、1階ロビーで展示「歴史を未来に-大阪市史事業 120年のあゆみと収集史料」がおこなわれていました。
大阪市史編纂事業120周年を記念し、歴史史料を展示していました。
折しも、大阪市廃止・特別区設置住民投票の時期と重なります。大阪市についての特集、興味深くみました。
展示は写真撮影禁止だったので、写真がないのが残念ですが。
代わりに図書館の外観を。
展示では、「関一と大大阪」が大きく取り上げられていて、印象に残りました。
大阪市は1889年に市制が発足しました。市制発足当初は大阪府庁が市の業務も兼務していましたが、その後江之子島に独自の市役所を開き、堂島への移転を経て、現在の中之島の地に移っています。

そして現在の大阪市のインフラを基礎作ったのが、関一市長(在任1923年~1935年)。前任の池上四郎市長のもとで助役として招聘され、池上市長の時代に計画を作り、関一市長の時代に花開きました。地下鉄建設、御堂筋建設、公設市場設置、住宅改良、大阪商科大学(現在の大阪市立大学)設置、大阪市第二次市域拡張で当時の西成郡・東成郡全域を市に編入、など。
関一が第二次市域拡張(1925年)に際して書き残した文章。
蓋し都市の誇とするところは、其面積の広狭や、戸口の多少ではない。市民の福祉を増進すべき施設を整へ、一国文化の発展と、経済の振興とに対し、最高の機能を発揮することに在る。
大阪市が市域を拡張して、新に大大阪市となりたる所以は、一市・四十四町村を、一体の自治組織の下に統一し、近代科学の要求に基づき、数百年来の歴史的伝統的自治精神を発揮して、都市経営の完璧を期せむことに在る。
大大阪の建設は正に今日より始まるのである。
「大阪市の諸問題」『大大阪』1巻1号
大阪市を廃止してばらばらにすることをわめき立てる勢力が現れているもと、大阪市がおこなってきた自治、歴史的な役割について考える機会になりました。
また大阪市史編纂事業についても、大阪市が廃止された場合どうなるのか。歴史や文化という意味からも重大な損失。