2020年11月1日、大阪市廃止・特別区設置住民投票。大阪市存続の声が多く、大阪市の廃止は避けられた。
住民投票後「ノーサイド」論が出ているようす。しかしこれは慎重な取り扱いが必要な案件。
「ノーサイド」はあくまでも一般住民どうしの関係
10年間にわたる「都構想」策動によって一般住民の間に起きた分断を修復することは重要だし、一日でも早くその日が来ることを強く願っていることは言うまでもない。
「賛成」に投票したものの、積極的に大阪市廃止運動や維新に加担したわけではない一般市民については、大阪市の未来を作っていくという意味においては「ノーサイド」といえるのかもしれない。
しかし「ノーサイド」はあくまでも一般住民との間の話。住民の分断を仕掛ける側に立って何の反省もない者まで「ノーサイド」というわけにはいかない。
維新関係者との間に「ノーサイド」はない
維新の議員・運動員や、狂信的な維新支持者・信者は、住民投票の期間中でも、大阪市存続を呼びかける人たちを恫喝し、罵倒するなどの行為を執拗に繰り返した。
ビラ配りをしている人のところに近づき、今にも殴りかかる勢いで罵声を浴びせる。ハンドマイク宣伝に維新宣伝カーで音をかぶせ罵声を浴びせる。大阪市存続の宣伝隊を維新宣伝カーでつけ回して妨害する。そういった行為が各地で報告された。
大阪市存続を呼びかける人が身の危険を感じるほどだった。
呪いの言葉を吐き続ける人たち
さらに住民投票の結果が出てもなお、維新関係者や狂信的な維新信者が、住民の分断を煽り、大阪市存続を求める市民への呪いの言葉を吐いているケースが目立つ。
「老害」だとか「南北格差」だとか、2015年住民投票の時に否定されたのと全く同じでっちあげをしているのは多数みられる。
否決で「住民サービスが維持できない・少なくなるかもしれない」と脅す府内の某維新市長や某維新府議。
「市政、府政において何らかの問題が発生したとしても全ての責任は無責任な反対派にある」と罵倒する他県の維新予定候補者。
自分たち維新の暴力的でひどい宣伝活動を棚に上げ「反対派の一部は本当にマナーが悪かった。酷かった。違法行為もしてた。あんな人達に大阪の未来は任せられない。」などと罵倒した他市の維新市議。
ツイッターで「反対派が多い地区は子どもの学力が低い」と侮蔑的な書き込みをした維新支持者。
そういう言葉をあちこちで吐いている。
また3度目の住民投票を考えているとも受け取れる策動に出ている。
積極的に大阪市廃止運動に加担したり、暴力的行為や暴言などを繰り返した、維新の議員・運動員・信者などについては、その言動を真摯に反省して態度を改めない限りは、また市民への暴言や怨念をぶつけ続ける限りは、「ノーサイド」はない。絶対にありえない。
「ノーサイドはない」といっても、それは維新やその関係者への「排除」「仕返し」というような話ではない。あくまでも「市民の分断を乗り越えられる仕組みを作るための対応」というものである。
「3度目」阻止のために
維新の連中は、怨念をぶつけ3度目の住民投票を狙っている。そのような維新関係者の策動については、息の根を止める勢いで、未然に防ぐ体制づくりが必要。
今後の大阪府議会および大阪市会の動向を府民・市民として注視していくこと、首長選挙や議会選挙での対応、大阪市廃止=「都構想」の根拠となる大都市法の廃止を求める取り組みなど、具体的にやるべきことはまだまだある。